75分までプレーした明治大ルーキーの中村健人 [写真]=谷澤優佳(明大スポーツ)
昨年王者を相手に無失点勝利を手にした。7位と低迷する早稲田大学とのJR東日本カップ2016 第90回関東大学サッカーリーグ戦 1部 第10節は、前半から相手の激しいハイプレスに苦しめられ、チャンスをなかなか作れないままスコアレスで折り返す。しかし、後半に入ると一転してボールを回しながらリズムを作る。迎えた73分、ペナルティーエリア付近でボールを受けた木戸皓貴が右足を振り抜きネットを揺らす。その後は相手に決定的なチャンスを作らせず1-0で逃げ切り3連勝。2位筑波大に勝ち点「3」差をつけ首位をキープした。
エースが駒場に響く早稲田大の声援を黙らせた。73分にペナルティーエリア付近で右サイドの道渕諒平からのパスを受けた木戸が、ドリブルで相手のブロックを外し右足でシュート。ボールはゴール左下に吸いこまれた。「自分が取って勝ってやろうという気持ちが強かった」(木戸)。背番号10を背負う男のゴールが拮抗した展開を打破した。前節の国士舘大学戦でも復帰後初ゴールを記録しており、調子を取り戻してきた“紫紺のエース”は「相手もシュートブロックをしてきたので、股が空くと分かっていた。そこ狙ってしっかり打った」。激しいプレッシャーで守ってくる宿敵を相手に、持ち前のゴールへの嗅覚でチームを勝利に導いた。
相手の猛攻を受けながらも開幕戦以来の無失点に抑えた。第2節から前節まで8試合連続で失点を喫し、守備に課題が残っていた明治大。昨季2度敗北を喫した相手に「ロングボールで通してこようとするのは分かっていました。そこは悠太(小出悠太)とトリ(鳥海晃司)がしっかりチャレンジ&カバーをしたり、サイドバックのカバーなどが徹底できていた」(服部一輝)。前半は多くのチャンスを許すが、徐々に小出と鳥海のセンターバックを中心に最後の部分で体を張ってブロックした。ハーフタイムには「もう一回立ち上がりからつなぐことを意識して、もっとスピードを上げていくこと、前を意識することを修正した」(柴戸海)とやるべきサッカーを意思統一した。すると後半、ディフェンス陣や今季初スタメンの中村健人と柴戸のダブルボランチが相手の速く激しいプレスをかいくぐるかのようにパス回しを展開。危険な場面を作らせず、自分たちのリズムでチャンスを増やしていった。「いい守備からいい攻撃へ」と明治大らしいサッカーを体現し、試合を制した。
次節は前期リーグ戦最後の試合だ。対戦相手の日本体育大学は今季1部に復帰し、現在7位と順位に開きはあるが「日体大は調子も上がっていますし、非常に強いので、絶対に厳しいゲームになる」(栗田大輔監督)。決して油断はできない相手だ。しかし、明治大も現在3連勝で首位キープと勢いに乗っている。「勝てば前期優勝なので、そこにこだわって1週間取り組んで、絶対に勝ち点3を取る」(道渕)。「後期の明治」と呼ばれ前期リーグ戦で勝ち点を積み上げることができなかった昨季とは違う。1位で折り返すべく、前期最終戦も勝利をもぎ取ってみせる。
文=臺佑太(明大スポーツ)
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By サッカーキング編集部
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