逆転勝利に笑顔がこぼれた [写真]=谷澤優佳(明大スポーツ)
文=臼井美理亜(明大スポーツ)
試合終了間際に逆転劇が繰り広げられた。JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦、前期リーグで唯一の敗戦となった流通経済大学との試合は試合開始から拮抗し、前半は0-0で終了。後半になると流れは流経大に傾き、66分にGK長沢祐弥のミスから失点を許してしまう。その後も相手ペースが続いたが、試合終了間際の89分に柴戸海が同点弾を放った。さらに勢いそのまま後半アディショナルタイム3分にカウンターから富田光が決勝点を押し込み、逆転勝利を収めた。土壇場の勝負強さで勝ち点3をつかんだ。
勝利への強い気持ちが試合を決めた。0-1のまま試合終了まで残りわずかとなった89分、柴戸がゴール前で相手のクリアボールをカットし、倒れ込みながらゴール右に同点弾を流し込んだ。土壇場に生まれた待望のゴールに会場が沸いた。だが、このまま引き分けで終わりにはせず「引き分けでいいのかなというところもあるのかもしれないけど、うちはそういうチームじゃない」(栗田大輔監督)と更なる追加点を目指した。監督がピッチに向け「3分あるからもう一回行くぞ」と声掛けをすると勢いはさらに加速、貪欲にゴールを狙にいった。そして、後半アディショナルタイム3分に途中出場の道渕諒平がドリブルで右サイドを走り抜け、クロスを受けた富田が決勝ゴール。4分間で2ゴールを挙げる逆転劇を見せた。「4年生の頑張っている姿に心を動かされた」(柴戸)。劣勢のまま残り時間が迫る中、小出悠太を主軸に攻守で粘りを見せていた。最後まで諦めない選手たちの闘志が逆転勝利を呼んだ。
決して明治大らしい内容ではなかった。柴戸のゴールが決まるまでは劣勢が続き、シュートチャンスはほとんどなし。選手たちが言うように内容では「負け試合」で「選手たちが振り返られる材料がいっぱい今日はあった」(栗田監督)と反省すべき点は多かった。プレー面では相手に空いたサイドのスペースを攻められたことやパスミス、決定力不足が目立ち、三原則の「球際、運動量、切り替え」でも甘さがあった。また、メンタル面でも後期開幕からいまだ負けなしなだけに「各々心の中のどこかで『今日も勝てるんじゃないか』っていう気持ちは少しあった」(小出)と気の緩みが出てきてしまった部分も見られた。首位独走だが優勝は約束されてはいない。慢心を吹き消し、一戦一戦を戦うことが求められる。
無敗のまま走り切る。開幕5連勝で勝ち点を39にまで積み上げている明治大。次節の相手は、勝負強さがあり、現在3位と勢いのある日本体育大学。前期リーグ戦では4-0で完封勝利を飾ったが、アミノバイタルカップでは10―9のPK戦までもつれ込んでおり、緩みは厳禁だ。「今日のような心の隙を作らずに気を引き締めてやっていきたい」(小出)。直面した課題を一つ一つ見直していき、常勝を維持してみせる。
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