果敢に突破をはかる坂元 [写真]=土橋岳(スポーツ東洋)
JR東日本カップ2017第91回関東大学サッカーリーグ戦第1節 東洋大学 0-1 専修大学
文=美浪健五(スポーツ東洋)
第91回関東大学サッカーリーグ戦1部リーグ(前期)が開幕した。戦いの舞台を1部に移して臨む最初の相手は専大だ。開始から激しい中盤での攻防が繰り広げられ、なかなか両チームとも決定機を作り出せない。しかし、44分にペナルティーエリア内で痛恨のファウルを犯し、PKを献上。これをきっちり決められ、先制点を許す。後半、巻き返しを図るも10分、短いパスワークで中央を突破され追加点を与えてしまう。その後、セットプレーなどから反撃を試みるも及ばず、開幕戦は黒星スタートとなった。
4月ながらも気温は25℃と、晴天に恵まれた中行われた開幕戦。試合開始の笛が吹かれ、4年ぶりの1部復帰を果たした東洋大学の新たな挑戦が始まった。全選手にとって初めての1部リーグだったため、古川毅監督は試合前から「恐れずにチャレンジしよう」とチームの奮起を促した。その言葉どおり開始から積極的に仕掛けていく。4分、右サイドを駆け上がった松崎快が早い段階でクロスを上げると、中で待っていた丹代藍人が頭で合わせる。惜しくもボールは枠の上へと外れたが、立ち上がりから得点の可能性を感じさせた。前半は守備陣の奮闘も光った。激しい中盤の攻防からボールをつながれ、ピンチを迎えることもあったが、DFの浦上仁騎、渡邊拓也がギリギリの所で体を投げ出し、シュートをブロック。2人は相手のロングボールに対してもしっかりと打点の高いヘディングで対応し1部でも戦える空中戦の強さも見せつけた。
スコアレスのまま前半が終わるかと思った44分、試合が動く。左サイドからのクロスのこぼれ球に頭を出した相手に対し、足でボールを迎えにいってしまいファウルを取られてPKが宣告された。辛抱強く守っていただけに悔やまれるファールとなった。これを決められ、追いかける展開となって前半を折り返す。後半に入ってからは、専大の前線からの組織的なプレスに苦しめられる。「厳しいチェックをはがせるような組立てがしたかった」と浦上が試合後振り返ったように、思ったようにパスが回せなかった。すると55分、自陣でボールを奪われると、本来は自分たちがやりたい細かいパス回しで中央を突破され、最後はゴール右隅へ突き刺された。リードを2点に広げられ、古川監督は「後手を踏んでしまうケースが多かった」と相手の寄せの厳しさに唇を噛んだ。
まずは1点を返したい攻撃陣は、「取られてもいいから仕掛けようと思った」と坂元達裕が得意のドリブルで相手を揺さぶりゴール前まで攻め込むが、専修大学もゴール前に人数をかけ、シュートをなかなか打たせてもらえない。後半途中から勝野瑛、小林拓夢を投入し多くのチャンスを作り出すものの、あと一歩のところで決めきることができず、最後までゴールネットを揺らすことはできなかった。リーグ初戦は無得点に終わり、1部の難しさを知る結果となった。
しかし、チームは決して悲観的にはなっていなかった。「もっと頭の回転のスピードを上げていく必要がある」と古川監督はこの日の敗戦からすぐに次への課題見出した。専修大学と総合的なチャンスの数を比べても、そこにはさほど大差は無かった。「1回のシュートを決めきること」と坂元が言うように、決定力の向上がこの先1部リーグを戦い抜く上で重要になってくる。2週間後、第2節の相手は昨年度のインカレ王者である筑波大だ。この2週間を利用してもう一度しっかりと準備し、挑戦者として王者に挑む。
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