2点目のゴールを決めた松崎 [写真]=美浪健五
JR東日本カップ2017第91回関東大学サッカーリーグ戦第7節 東洋大学 3-1 慶応義塾大学
文=藤井圭
今季初の連勝で5位まで順位を上げた東洋大学は、今節慶応義塾大と対戦。前半相手の猛攻を無失点に抑えると、後半に一挙3得点を挙げ、3-1で勝利し3連勝を果たした。
前半から両サイドから得点を狙う慶大の形に苦しめられる。17分、左サイドから崩されると、ペナルティエリア内でシュートを打たれるが、守備陣が身体を張ってブロック。26分には、再び左サイドに展開されると、クロスをヘディングで合わせられるものの、枠外に救われる。再三のピンチも守備陣が必死に耐え凌ぎ、前半を0-0で折り返した。「前半無失点で帰ってきてくれたのが大きな勝因だった」と古川毅監督は振り返る。慶大の猛攻を受けながら失点を0に抑えた45分間が、後半の逆襲へとつながっていく。
後半は早々に試合が動く。48分、MF松崎快とFW坂元達裕のパス交換から、抜け出したDF坂本涼斗がクロスを上げる。ファーサイドに待っていたMF宮吉悠太のヘッドが突き刺さり、東洋大が先制点を挙げた。「いいボールを上げてくれたので、合わせるだけだった」と話した宮吉は、うれしいリーグ戦初ゴールとなった。すると、得点の余韻から直後の49分。右サイドから単独で仕掛けた松崎が中央へ切り込むと、地を這うようなシュートをニアポスト隅に決めて追加点。今季からレギュラーとして戦う松崎は「開幕から使ってもらっていて、結果出せなくて申し訳ないなと感じていた」と、宮吉と続けてリーグ戦初ゴールが飛び出し、後半開始4分間で2点のリードを得る。
56分には、前掛かりになった慶大の裏を突くように、FW丹代藍人がロングパスに抜け出して、GKと1対1になると、最後は飛び出したGKと交錯し、ファールを受けてPKを獲得。坂元が確実に決めてリードを3点とする。「決めたいという思いが強く、蹴らせてほしいと言った」と自ら志願したPKのキッカー。坂元はこれで、第4節の明治大学戦から続けて、4試合連続ゴールとなった。76分に、慶大にPKを与えて1点を返されたが、3-1で試合終了の笛が鳴らされた。
「自分たちで崩してゴールというスタイルではなくて、前からのディフェンスでボールを奪って、そこを突いていこうと伝えている」。2部で戦う昨年と1部へ昇格した今年とのスタイルの違いを古川監督は語った。比較的にボールを支配できた2部とは異なり、さらにワンランク上がった1部では簡単にボールを前へと運ぶことができない時間もある。そういった時に重要になってくるのは守備のバランスだ。「前回1部で戦った時は、前にもタレントは揃っていたが、戦い抜くことができなかった」と最下位で終わり、昇格1年で2部へと降格した4年前を振り返った。3連勝で勢いの増す現在も1部で戦うためのスタイルに磨きをかけている。90分間最前線で走りきった丹代は「守備からいい形を作って攻撃にいけているので、得点につながっている」と選手たちも高い守備意識に自信をのぞかせた。「毎試合1部リーグを戦っている中で、敗戦から学ぶことがあるし、勝ち試合でも課題が出てくる」と、監督を含めてチームは、どれだけ順位が上にいようともチャレンジャー精神を忘れていない。前期も残すは4試合。順位を気にするのは時期尚早だが、前期をいい形で終わらせるために、東洋大サッカー部の成長は続く。
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By サッカーキング編集部
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