浦和ユース時代、キャプテンを務めた野崎が迎えたプロ1年目の2012シーズンは、学ぶことだらけの1年となった。その苦難は日々のトレーニングで味わった。プレーごとの精度や判断スピード、フィジカル、テクニック……「すべてにおいて、ユースとは全然違います」とレベル差を体感したのだ。ミニゲームで専らプレーした控え組では、山岸らベテラン選手に「マサヤ!」と発破をかけられ続けた。またサブ組は試合直前の練習で、相手チームのフォーメーションでプレーする。野崎は負傷者などで人員不足になった場合、本来のボランチだけではなくセンターバックや左サイドバックをこなすなど、様々な位置でプレーした。
それでも、本人は前向きだ。海外サッカーを見るのが趣味の野崎は「左サイドバックをやる時は、ジョルディ・アルバ(バルセロナ)をイメージしています」と、目にした選手のプレーを落とし込む努力をしている。幸い浦和のボランチには阿部、鈴木らをはじめお手本が多く在籍する。その高い壁から、一つひとつを学んでデビューの時を待つ。