2016.02.29

[PR] 女子サッカーは日本の文化となったのか… 3つの提言から少女たちの未来を問う

女子サッカーは日本の文化となったのか… 3つの提言から少女たちの未来を問う

「女子サッカーがブームではなく、文化になっていけるように」

 なでしこジャパンのキャプテンを務める宮間あやが、2015年のカナダ女子ワールドカップ決勝前日会見で発したこの言葉は、日本中にさざ波のように広がった。

 ドイツで行われた2011年の女子ワールドカップ優勝を皮切りに、大きな盛り上がりを見せた女子サッカー界。2012年はロンドン五輪で銀メダルを獲得し、2015年にはワールドカップで準優勝に輝くなど、代表レベルでは好成績を残し続けてきた。だが、2011年に訪れた空前のなでしこブームを経て、女子サッカーは私たちにとって「見るスポーツ」として定着したのだろうか。そして日本の女性にとって、「やるスポーツ」として身近な存在になったのだろうか。まずは客観的なデータを用いて、女子サッカーの「今」を紐解いていく。

なでしこリーグ観客数の変化

“なでしこジャパン”の大活躍は、国内リーグのトップカテゴリーである「なでしこリーグ」人気にも結びついた。1部リーグ全90試合の入場者数を比較すると、2011年がリーグ創設以降の頂点にある。2015年はピークに比べれば減少しているものの、「世界一以前」と比較すればちょうど2倍。女子サッカーを見る人の数は、確実に増加したと言えるだろう。

なでしこリーグ観客数の変化

中学・高校の女子サッカー部員数

 なでしこの未来を担う中学生、高校生に目を向けると、中体連(日本中学校体育連盟)に加盟する全国の女子サッカー部員数は5970人(2015年度)。「世界一以前」である2010年度の3538人に比べ、約1.7倍に増えている。同様に、高体連でも2014年度に初めて1万人を突破した。

中学・高校の女子サッカー部員数

世界の女子サッカー競技人口

『FIFA Women’s Football Survey 2014』によると、各国協会に選手登録されている女子サッカー人口は、FIFA加盟国全体で480万1300人に上る。地域別に見ると、アメリカとカナダの北米2カ国で225万5000人となり、全世界の実に半数近く(約47%)を占める。アメリカの競技人口が約150万5000人とされているのに対し、日本は約4万8300人。つまり、アメリカは日本の30倍以上もの競技者を抱えていることになる。そんななか、日本サッカー協会は、サッカーを女性の身近なスポーツにすることを目的とし、『なでしこひろば』などの施策をスタート。JFA主催イベント参加者を含めた「サッカー体験者」は、2014年の時点で38万5000人を突破した。

世界の女子サッカー競技人口

 これらのデータを読む限り、女子サッカーは決して「不人気の時代に逆戻りした」とは言えない。しかし、宮間が見据えるように、今後さらに女子サッカーを文化として根付かせるためには、選手たちばかりでなく、我々メディアやファンもそれぞれが考え、行動に移していく必要がある。日本の女子サッカー界を長らく支えてきた澤穂希が現役を引退し、リオ五輪に向けて新たな代表チームが始動する今、有識者3名による提言から、改めて女子サッカーの未来を問う。

〜女子サッカーを「文化」にするために〜有識者からの3つの提言
競技人口増加と育成整備が最重要課題…日本サッカー界は必然的な“第二の澤”育成を
文化の担い手となるべきは選手でなく庶民、なでしこたちが紡いだ想いを今こそ文化に
女子サッカーが温め続けた文化の種、“分かち合う”心の育成が大輪の花を咲かす


「サッカーは最後まで、みんなのことを裏切らない」
宮間あやからのメッセージ、感動のムービー公開中!
#女子サッカーを文化に