新戦力が大量加入、最大の懸念材料は連係面

8月25日、いよいよ2012－13シーズンのセリエAが開幕。サッカーキングではセリエA各クラブのブロガー＆ファンにご協力いただき、新シーズンに向けた最新チーム情報を執筆していただきました。随時、チーム情報を追っているファンならではの濃密な情報が集結。読み応え十分な各クラブの情報をチェックしてください！
フィオレンティーナはサッカーキングの編集部員である @dolce_e_viola が展望しました。

>

◆2012－13シーズンの目標（予想順位）
ヨーロッパリーグ出場圏内

◆今夏の獲得&放出リスト
IN　選手名　《レンタル元》←昨季最終所属
GK　エミリアーノ・ヴィヴィアーノ←パレルモ
GK　クリスティアーノ・ルパテッリ←ジェノア
DF　アーメド・ヘガジ←イスマイリ/EGY
DF　ゴンサロ・ロドリゲス←ビジャレアル/ESP
DF　ファクンド・ロンカリア←ボカ・ジュニアーズ/ARG
MF　ファン・クアドラード←《ウディネーゼ》←レッチェ
MF　フランチェスコ・デッラ・ロッカ←パレルモ
MF　マティアス・フェルナンデス←スポルティング/POR
MF　ボルハ・バレーロ←ビジャレアル/ESP
MF　アルベルト・アクイラーニ←《リヴァプール/ENG》←ミラン
MF　ダビド・ピサーロ←《ローマ》←マンチェスター・C/ENG
FW　ムニル・エル・ハムダウィ←アヤックス/NED
FW　ハリス・セフェロヴィッチ←レッチェ

OUT　選手名　《レンタル元》→移籍先
GK　エドアルド・パッツァーリ→ミラン
DF　ロレンツォ・デ・シルヴェストリ→サンプドリア
DF　チェーザレ・ナターリ→ボローニャ
DF　ペア・クロルドルップ→未定
DF　アレッサンドロ・ガンベリーニ→ナポリ
MF　アミドゥ・サリフ→カターニア
MF　リッカルド・モントリーヴォ→ミラン
MF　バロン・ベーラミ→ナポリ
MF　ウシーヌ・カルジャ→アル・アラビ/QAT
MF　マルコ・マルキオンニ→未定
FW　アマウリ→パルマ

◆期待の新戦力
MF ボルハ・バレーロ（写真）
ビジャレアルから加入したレアル・マドリード下部組織出身のMF。運動量と正確なパスを武器にした司令塔タイプで、母国スペインのみならず、イングランドのWBAでも実績を残している。近年、イタリアではスペイン人が結果を残せていないため不安が残るものの、ビジャレアル時代からのチームメイトであるゴンサロ・ロドリゲスを同時に獲得したことでピッチ外のサポートも万全。

◆期待の若手
DF マティヤ・ナスタシッチ
18歳で定位置を確保した左利きのDF。センターバックを本職としながらも、昨シーズンは左サイドバックでも起用され、水準以上のプレーを披露した。今シーズンは3バックの左での起用が濃厚。同胞のヨヴェティッチ、リャイッチとはパルティザンの下部組織時代からの親友でもある。

◆新シーズンの予想フォーメーション
3－5－2
GK：ヴィヴィアーノ
DF：ロンカリア、G・ロドリゲス、ナスタシッチ
MF：カッサーニ、アクイラーニ、ピサーロ、ボルハ・バレーロ、フィオレンティーナ
FW：リャイッチ（エル・ハムダウィ）、ヨヴェティッチ

プレシーズンの序盤は4バックを採用していたが、ゴンサロ・ロドリゲスの加入で最終ラインの陣容がそろい、3バックに完全シフト。中盤の構成は、現時点でアクイラーニ、ピサーロ、ボルハ・バレーロ、新戦力3人がベストな選択か。M・フェルナンデス、クアドラードといった新戦力に加え、ラッツァリ、オリベーラといった既存のメンバーも控えているので、対戦相手やコンディションによって組み合わせは代わりそうだ。選手層が薄いアンカーとストライカーは、移籍期限最終日まで獲得に動くことが濃厚。中盤ではガルガーノ（ナポリ）、前線ではベルバトフ（マンチェスター・U）、リンサドロ・ロペス（リヨン）、クアリアレッラ（ユヴェントス）、ゴメス（カターニア）、バベル（ホッフェンハイム）らの名前が獲得候補として挙がっている。一方で余剰人員になり得るGKネト、DFカンポレーゼ、MFバルガス、FWチェルチは放出の可能性が残されている。

◆シーズン展望
　昨シーズン、カターニアで攻撃的な采配を披露してセリエAに新風を巻き起こしたモンテッラを新監督に招へい。6月の早い段階で新体制が決まり、指揮官の意向に合わせた12人の新戦力を補強することに成功した。

　正GKにイタリア代表のヴィヴィアーノを、控えにルパテッリを加え、最終ラインの即戦力としてロンカリア、G・ロドリゲス、控えにエジプト代表としてロンドン五輪に出場していたヘガジを獲得。中盤にはセリエAで経験値のあるアクイラーニ、ピサーロ、デッラ・ロッカ、クアドラード、国外からM・フェルナンデス、ボルハ・バレーロといった代表クラスの戦力を加えた。前線には今冬の市場で移籍登録期限を過ぎたとして加入が認められなかったエル・ハムダウィをアヤックスから獲得。新スポーツ・ディレクター、プラデの大車輪の活躍で移籍金を抑えつつ、大量補強に成功した。

　新シーズンに向けて懸念されるのは連係面。予想スタメンのうち半数以上が新戦力で、短期間でどこまでコンビネーションを高められるかが焦点となる。18日に行われた今シーズン初の公式戦となったコッパ・イタリア3回戦、ノヴァーラとの一戦ではボルハ・バレーロが起点となり、ショートパスをつないで相手陣内に進入。格下が相手だったとはいえ、多くの決定機を作り出し、攻撃陣は及第点の出来を披露した。開幕戦で昨シーズン3位と躍進したウディネーゼから白星を上げることができれば、過去数シーズンの低迷から脱することも……。