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『WCCF』12-13Ver.稼働記念 WCCF柏田P×寺島D スペシャル・インタビュー

2014.02.10

[サッカーゲームキングVol.24 2014年2月号掲載]

2013年12月12日、『WCCF』の11シリーズ目となる12-13Ver.がついにスタートした。今Ver.では、旧シリーズになかった新しい試みが多数追加され、新たな『WCCF』へと生まれ変わった。開発陣が思い描く“『WCCF』の未来像”への第一歩とは?

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[写真]=西田泰輔

新しいお客様を安心して導入させてあげることが重要

―――12-13Ver.ではロゴが白、薄いブルーのイメージカラーがあしらわれています。この色になった理由は何でしょう?

柏田知大 10周年目のタイトルである『WCCF』11-12Ver.から、12-13Ver.に移るにあたって、「次の10年に向けて真っ白な状態からスタートを切りたい」という思いから、ベースカラーを白にさせていただきました。

―――新ロゴを見ると、これまで『WCCF』の後に入っていた「Intercontinental Clubs」という文面が外れましたね?

柏田知大 我々も新規のお客様を取り込みたい、なおかつ既存のプレイヤーの方も引き続き楽しんでもらいたいという意図があり、いくつかリサーチをかけました。そのリサーチの中であったりだとか、我々が日々感じている中で、「Intercontinental Clubs」、以前ですと「European Cl ubs」など、その部分はタイトル名を長くする要因になっていて、それが分かりづらさや覚えづらさを招いているのではないかと考えました。それが取り払った理由ですね。

―――12-13Ver.ではCPU戦メインのリーグモード、店内対戦のトーナメントモード、そしてネット対戦の3種類から選べるようになりました。このモードセレクトを導入した理由は?

柏田知大 『WCCF』が10年という歳月を経て、ユーザーさんの市場が成熟してきました。その成熟した市場に対し、新しいお客様を入れていく、なおかつ既存のお客様も維持していくことを狙うにあたり、まず新しいお客様を安心してゲームに導入させてあげることがすごく重要だと考えました。それを実現するための手段が、(CPU戦メインの)リーグモードになっているかと思います。

―――レギュラーリーグに3rdディビジョンが加わりましたね? これは初心者の方にとっての登竜門ということでしょうか?

柏田知大 そのとおりですね。『WCCF』というゲームはシンプルな構成なんですが、それゆえに何をしていいか分からないユーザーさんも数多くいらっしゃいます。そこで、3rdディビジョンを設けることによって、チュートリアルをステップアップ式に行うことができます。そこで操作方法を覚え、「WCCFとはどういうゲームか」ということを3rdディビジョンを終えた時にある程度つかめているのかなと。そこから2ndディビジョンへステップアップしていただく。そういった階段作りの意図があって3rdディビジョンを用意しました。

―――これも初心者の方へのきっかけ作りだと思いますが、今回は新規のAimeで1クレジット分が無料になりましたね。

柏田知大 今まで『WCCF』はすごくハードルの高いゲームだったと思っています。まずスターターパックを買って、1000円も入れてゲームをするというところは、他のコンテンツに比べて競争不利の要素でした。そこを補うために、最初の1プレイを無料で遊ぶことができ、なおかつ1プレイ終了後に選手カードを1枚差し上げる初回無料プレイを実装しました。そういう形を取ることによって、そのカードを持って次のプレイにつなげてもらえるようなモチベーションを持っていただけるんじゃないかなという狙いがあります。

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(C)2009 JFA

次の日まで気に留めていただくようなコンテンツ作り

―――12-13Ver.から、ゴールデンチャンピオンシップが導入されました。これを新設した意図はどういったところでしょうか?

柏田知大 その意図は2つあります。一つは、10プレイ以上遊んでくださっているヘビーユーザーの皆さんに何らかのインセンティブを与えることで、今後も10プレイ以上やっていただけるような環境作りがしたかったということですね。もう一つは、普段10プレイしないお客様に関しても、「10プレイすればいいことがある」ということを示してあげることによって、よりたくさんプレイしていただければいいなと。時間がない方についても1コインを入れていただくことによって、次の日に結果が分かるように、WCCFのことを次の日まで意識してもらったり、次の日に「昨日こんなことをやっていたな」ということを気に留めていただくようなコンテンツ作りが狙いでした。

―――これで得られる特典のメリット、例えばゴールデンシューズは中級者、上級者の方にとっても大きなメリットだと思います。

寺島成樹 もちろん、本来のデータ対戦というのが「日本一」、「世界一」まで用意させてもらっていますし、そこがある程度皆さんのモチベーションになっていたかと思います。最初は「ワンデーのデータ対戦も毎日気軽に参加できるものを用意したい」と思ったのですが、ワンデーでやるにしてもそれなりの目標を達成した時の喜びというのはユーザーの皆さんに感じてもらうべきだなと。その点でこれは初めての試みなんですよ。成長に生かせるアイテムを設けることによって、データ対戦が盛り上がる一つの要素になると思い、思い切った決断をしました。

―――この結果は店内同士の競い合いによるものなのでしょうか?

寺島成樹 いえ。すべてネットワークです。ネットワークを介してレベルマッチングをしますので、結構難しい目標になるのかなと思います。

―――12-13Ver.から称号の要素が目立つようになりましたね。

柏田知大 称号というのはプレイヤーの名札というか、名刺代わりになる存在になると思っていて、その存在がプレイヤーの個性を際立たせるものでもあるかな、と思います。それがたくさん収集できて、なおかつそれを任意で選ぶことができるというのは、ゲーム内にコレクション要素を加えることになり、ゲームデザインに幅を広げるような存在になると思います。皆さんにぜひ新たな目標の一つにしてもらいたいですね。

―――称号をアナウンスする假野剛彦さんのボイスのバリエーションもかなり増えましたね。

寺島成樹 称号についてはすべて声を入れてもらっています。『WCCF』は個性同士のぶつかり合いが一番楽しい部分だと思うので、やはり個性を際立たせる要素として假野さんにそのフレーズを強調してもらいたいなと。もちろん、特殊実況はできるだけ多くそろえようと頑張っていますよ。

―――今回は時間軸が「レギュラーリーグ2試合を挟んで大会」という今までのスケジュールから、相当変わりましたよね。リーグモードが別になったことで、店内モードのテンポがかなり速くなりました。

寺島成樹 そうなんです。「出たくない大会に出ざるを得ない」と思われる方もいると思うので、皆さんのストレスをできるだけ減らそうというところでリーグモードを用意しました。そこでじっくり育成し、「このチームで全タイトル制覇を目指すぞ」というタイミングで店内対戦に移っていただければいいのかなと。

―――リーグモードでは試合中に要所でミッションが入るようになりましたね。これを導入した理由は何でしょう?

寺島成樹 まずは試合中に段階的な目標を用意してあげることによって、より遊びやすいゲームになるのではないかと。これは称号集めだったり、育成で効果があったりするので、ぜひクリアしてもらいたいですね。さらに進めるとレアなミッションも出てきます。レアな称号もあって、初心者から上級者まで段階的に楽しめる形で用意しています。

―――新Ver.から「ビッグマッチプレイヤー」と「ジャイアントキラー」という大一番で頼りになりそうな要素も加わりましたね?

寺島成樹 単純に「選手の個性を広げる」という目的です。先ほどは監督の個性で称号を選べるようにしたと言いましたが、選手カードの個性というのは一番大事なところで、「できるだけ選手の個性を感じてもらう要素は何か」と考えた時に、その一つとして「大舞台に強い選手」や「格上相手だと燃える選手」があるな、と思ったのでその個性をしっかりと出してあげようと。「スーパーサブ」というコンテンツは、選手の個性が際立ったと思っていたので、それに続く新しい要素という位置付けですね。

―――「ビッグマッチプレイヤー」や「ジャイアントキラー」の人選は、実際の試合で結果を残した選手など、ある程度リアルサッカーのデータに基づいてなされているということでしょうか?

柏田知大 そうですね。なので、もしかすると新しいカードのほうが有利かもしれないですね。一昨年にジャイアントキラーのイメージがついたら、そのあともずっとついているかもしれませんからね。ただ、前についていたからと言って、その後もついているとは限りません。

―――ボレーシュートやダイビングヘッドなど、球際でのAIは大きく変わった印象がありますが、相当手を加えたのでしょうか?

柏田知大 11-12のVer.2.0でエンジンを変えましたが、12-13Ver.では「完成度向上」というコンセプトで開発に取り組みました。球際の部分や新しいモーションという部分では、過去のシリーズに比べて全体的に向上しているのではないかと思います。

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さらに10年続けるために意図的に大きく変えている

―――今回のレアカテゴリーは10-11Ver.に導入されたレアリティとある程度似通っていますね?

柏田知大 当時とレアの内訳は同じだと思うんですが、その前の08-09の時に細分化しているもの、キーパー、ディフェンダー、ミッドフィルダー、ウイング、センターフォワードの5つだったポジションを9個にしました。DFの場合、センターバックとサイドバック、それぞれ評価基準が違うポジションですが、同じカテゴリーに入れなければいけません。そういうところで「いろいろな偏りが生まれるのではないか」という意図だったと思います。

―――各ポジションで実際に活躍した選手を選んでいるということですね。

柏田知大 ええ。かなりの少数精鋭になっています。前は5枚だったものが10-11Ver.で3枚になり、今回は4枚になっています。

―――新レアの「RGS」が導入されました。

柏田知大 今まで新しいクラブ、新しい選手はとても魅力的なのですが、選手の格からして通常のレアにギリギリ入らない選手もいます。でも、せっかく新しく入ってきたので目立たせてあげたいという思いがあって、このレアカテゴリーが生まれました。

―――「MVP」はメッシということで、当然の人選だと思います。とはいえ、4Ver.も続くと内部データやデザインの調整、過去との差別化はすごく大変だったのでは?

柏田知大 ええ、そのとおりです(笑)。MVPは4枚目ですから、デザイン面はかなり苦労しました。相当試行錯誤して、今までやったことのない特殊な加工を実施してみました。今までの「MVP」よりもさらに価値が高く見えるものを作れたのではないかと思います。

―――今回の「KOLE」はアルフレッド・ディ・ステファノですね。御年87歳で現役を退いたのは50年近く前ですが、僕らサッカーメディア的にも映像で見る機会がほとんどない選手です。ゲーム内のデータはどのように作っているのでしょうか?

柏田知大 昔の選手全般に言えることなんですが、可能な限り映像と記事を多く集めます。あとは他の選手との数ある比較論ですね。例えば「誰々と比べてどうだった」だとか、そういった比較論をたくさん引っ張ってきて、というのが基準の一つになっていますね。

―――新Ver.から「HOLE」というレアカテゴリーが誕生しました。同一の選手が3種類のカードとして排出されるというのは過去に例がないのですが、これを導入した理由は?

柏田知大 レジェンド系のカテゴリーは06-07シーズンの「KOLE」以来、新たに登場していません。それに対して新たな変化をつけたいというのが「HOLE」導入の理由です。

―――12-13Ver.から、実はここが大きく変わっている、という点はありますか? ユーザーの方に伝わりにくい部分があれば、ぜひこの場でお聞かせください。

寺島成樹 やはり試合じゃないですかね。選手の個性を際立たせる、11-12Ver.2.0でエンジンを変えて、初のメジャーバージョンアップをし、やっとAIがもう一段階上がるところで、試合中のAIに関しては大きく整理したつもりです。これで選手の個性がより際立つかな、と。例えば、チームスタイルに関しても個性をつけやすくなったので、同じチームスタイルでも、少し使用感は違うかもしれません。すべての個性をより色濃く押し出していきたいと僕らは思っていて。かなり奥が深くなっている部分なので、そこは皆さんにいろいろ試してほしいですね。

―――最後にプレイヤーの皆さんにメッセージをいただけますか?

寺島成樹 今作のコンセプトは11シリーズ目ということで、変わっていかなければいけないですし、さらに10年続けるために意図的に大きく変えています。その象徴的なものがリーグモードの新設かな、と思います。『WCCF』が11シーズン目になり、多くの人に遊んでもらいたいという意味で、「入りやすさ」、「プレイしやすさ」にこだわり、そして中級者、上級者になっていただくと。10年後には10年目のプレイヤーになっていただく、その部分での導線をしっかりと整理したつもりです。既存プレイヤーの皆さんについては、試合中のAIなど、個性がより出やすくなっているので、その深みを楽しんでほしいです。もちろん、「昔WCCFをやっていたよ」という方も、久々に触ってもらいたいですね。「遊びやすくなった」という部分は声を大にして言いたいところです。

柏田知大 今回は新規のお客様に入っていただくべく、なおかつ既存のお客様の満足度を維持する、もしくは向上していくという、相反するような別のベクトルの部分を実現しようと試みたVer.です。その取り組みが成功することによって、『WCCF』が今後10年、20年続いていくための土台を築けるんじゃないかと思うので、サッカー好きな方、それこそ『サッカーゲームキング』を読んでいる方だったり、『WCCF』に興味を持ってくれている新規プレイヤーの方にもぜひ遊んでいただければうれしいですね。

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