サッカー日本代表、アウェイ遠征の3つの醍醐味

文・写真=村上敦伺/アシシ(@4JPN
 
 3月22日に開催された強化試合、日本代表対カナダ代表をカタール・ドーハで現地観戦した。2─1の辛勝ではあったが、3月26日のアジア最終予選ヨルダン戦の本番に向けて、収穫と課題の両方が浮き彫りになった、よいテストマッチだったと思う。
 
 僕はジャーナリストではなくサポーターなので、試合内容などの評価はプロの記者にお任せして、サポーター目線でこのコラムを書いていこうと思う。
 
 今回の2014年ブラジルワールドカップのアジア最終予選、僕はホーム戦もアウェイ戦もすべてスタジアムに足を運んでいる。国内で開催されるホーム戦はともかく、飛行機で片道10時間以上かかるアウェイ戦は本当に骨が折れる。昨年はフル代表に限らず、五輪代表も含めて、計5回海外遠征した。
 
5月 五輪代表トゥーロン国際大会(フランス)
6月 フル代表最終予選豪州戦
7月 五輪代表ロンドン五輪
10月 フル代表強化試合フランス戦&ブラジル戦
11月 フル代表最終予選オマーン戦

「なぜここまでしてアウェイ参戦にこだわり続けるのか?」とよく知人に聞かれる。第1回のコラムでは、僕なりにまとめたアウェイ遠征の醍醐味を紹介したい。
 
 大きくわけて、アウェイ遠征の面白さは3つあると僕は思っている。

1.日本代表選手との距離感が近く、直接声が届く


川島、誕生日おめでとう! 男は30から!と書いた横断幕

 何万人もの日本人サポーターがスタジアムに集結して、ニッポンコールを送るホーム戦の雰囲気は圧巻だ。これはこれで、初めて体験する人はド肝を抜かれることだろう。だが、アウェイ戦の雰囲気もまた格別だ。日本人サポーターが圧倒的に少なく、ひとりひとりの声出しの比重が必然的に高まるため、応援に対する熱意も上がる。
 
 また、日本代表の選手たちも海外にまで足を運んだサポーターに対して親身に接してくれることも多い。今回の遠征期間中、日本代表の守護神、川島永嗣選手が30歳の誕生日を迎えたため、練習会場で誕生日を祝うメッセージボードを掲げたところ、ガラス越しではあったが記念撮影に応じてくれた。アウェイ遠征ならではの交流とも言えよう。
 

2.世界中のグルメや観光地を堪能できる


カタール・ドーハのスーク(市場)で中東ならではのお土産を買うのも粋だ

 アウェイ遠征は何もサッカー観戦がすべてではない。試合を観戦する日以外は、世界遺産を観光したり、ショッピングに出かけたり、その土地ごとのグルメを堪能したり、楽しみ方は人それぞれだ。サッカー観戦だけではなく、それとセットで海外旅行を思う存分楽しむ気概があれば、アウェイ遠征は更に楽しくなること間違いなしだ。

3.スタジアムで世界中のサポーターと交流できる


カナダ戦でも中東系の美女と記念撮影をすることに成功

 アジア最終予選はW杯出場切符をかけた真剣勝負の舞台だが、そういった戦う姿勢は試合の最中の90分間だけでいいと僕は思っている。日本との関係において政治的な問題を抱えている国で行われるアウェイ戦であれば、それなりの注意が必要だが、特に外交問題を抱えてない国であれば、僕は試合前に「グッドラック!」と声をかけて、お互いの健闘を誓いつつ、両国の国旗を掲げて記念撮影をするのが恒例だ。

 最終予選ではなく、W杯や五輪などの国際大会の舞台ともなると、大会自体がフェスティバルのような高揚感に包まれるので、お祭り騒ぎを体感できる。余談だが、僕はスタジアムでかわいい外国人を見つければ、「写真一緒に撮りましょう!」と気軽に声をかけて、世界中の美女とツーショット写真を撮ったりしている。

 スタジアム観戦の楽しみ方は人それぞれだが、アウェイ遠征では特にこれら3つの醍醐味があるからこそ、僕は毎年、海外に出向いている。次は3月26日のヨルダン戦。W杯出場切符をかけた大一番、「歴史の証人」となるべく、僕はまたアウェイのスタジアムへ向かう。

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