J1リーグ戦も残るところあと3節。例年にも増して、今季も優勝争いは大混戦の様相を呈している。
サッカーキングでは優勝クラブを5つに絞り、経験、データ、占いという全く異なる3つの視点から、3人の識者に優勝を予想してもらった。
果たして2013年のJ1リーグの覇者はどのクラブになるのか? 3人の識者の予想は当たるのか?
河治良幸の予想
順位 | クラブ | 現在の勝ち点 | 第32節 | 第33節 | 第34 | 最終勝ち点 |
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1位 | 横浜FM | 59 | ○磐田 | ○新潟 | △川崎 | ☆66 |
2位 | 浦和 | 58 | △川崎 | ○鳥栖 | ●C大阪 | 62 |
3位 | 広島 | 57 | ○C大阪 | ○湘南 | △鹿島 | 64 |
4位 | 鹿島 | 56 | △鳥栖 | ○C大阪 | △広島 | 61 |
5位 | C大阪 | 53 | ●広島 | ●鹿島 | ○浦和 | 56 |
優勝争い展望
各クラブのキーマン | 選手名 |
---|---|
横浜FM | 中村俊輔 |
浦和 | 興梠慎三 |
広島 | 佐藤寿人 |
鹿島 | 大迫勇也 |
C大阪 | 柿谷曜一朗 |
優勝予想は常に難しいが、データは有効な指標になる。今回、手掛かりとして用いたのは過去5試合の直接の対戦成績だ(鳥栖は3試合、湘南は1試合を参考)。その勝率を基準にホーム&アウェーも加味しながら残り3節の星取表を付けた結果、勝ち点7を積み重ねた横浜FMが逃げ切ると出た。やはり上位との直接対決がないことはかなり有利だ。ただし、第33節の新潟戦は過去5試合のリーグ戦でアウェーながら2度負けていることは注意すべき事項。前節の様に前半からチャンスを逃すと、勝ち点3を狙う流れの中でカウンターを食らい、2位以下のライバルに最終節で優勝をさらわれる危険もある。
注目は最終節で鹿島と広島の試合が本当の意味での大一番となるかどうか。それは第32節で広島がC大阪、鹿島が鳥栖を相手に勝ち点3を奪えるかどうかにかかっている。それでも首位・横浜FMの優位は変わらないが、追うチームが第32節の試合をしっかり勝つことで、上位との対戦がない横浜FMにプレッシャーをかけていきたい。
カギを握るのは現在5位のC大阪だ。広島、鹿島、浦和と直接対決を残している。3連勝して横浜FMが新潟戦、川崎戦を落とすようなら大逆転もありうるが、広島と鹿島には相性があまり良くない。特に鹿島にはリーグ戦で5連敗中だが、4月に対戦した当時から名伯楽のクルピ監督が率いる若いチームはステップアップしており、過去のデータを覆すことも可能だ。
最終順位を3位に予想した浦和は、今週末にいきなり難敵の川崎と当たるのがネック。過去5試合の成績から引き分けと予想したが、リーグ戦では直近2試合で8失点している。ナビスコ準決勝の第2レグで1-0と勝利しているが、川崎も攻撃陣が再び好調さを取り戻しており、勝利のためにもロースコアの接戦に持ち込み、勝機を引き寄せたい。C大阪との最終節は過去5試合で4分1敗と勝ち点3を取るには分の悪い相手だが、興梠が確実に決定機をものにすれば勝利の芽は出てくる。今年はナビスコなども含め、要所で勝ち切れず首位に立てない状況が続いているが、最後に勝負強さを示して逆転優勝に望みをかけたいところ。
広島は今週末にいきなりC大阪との大一番をむかえる。過去3連勝中だが、引き分けとしたのはアウェーでの対戦になることと、前節は1-0で勝利したものの、非常に厳しい戦いとなったから。相手は是が非でも勝ち点3を狙ってくるため、得意のボール回しに効果的なカウンターも織り交ぜていきたいところだ。その広島と最終節を戦う鹿島だが、週末の試合で苦手の鳥栖に敗れると、いきなり優勝の望みはほとんど断たれてしまう。ホームだけに落ち着いて試合を運び、90分で勝利を狙う展開に持っていければ△を○に変えることができるだろう。
河治良幸
海外サッカーから国内サッカーまで、プレーの分析を中心に執筆するデータに強いジャーナリスト。膨大なサッカー選手の知識を有するその頭脳は、サッカー界の“選手辞典”とも呼ばれている。