各国が代表戦を行う11月15日~19日のインターナショナルマッチウィークによるインターバルを経て、再び幕を開けるブンデスリーガ。第13節では、昇格1年目でありながら、7位と健闘を見せるヘルタ・ベルリンが、3位レヴァークーゼンをホームのオリンピア・シュタディオンに迎える。
この試合でキーマンとなるのは、昨シーズンまでレヴァークーゼンの一員だった細貝萌だ。レヴァークーゼンでは不慣れな左サイドバックで起用され、本領発揮とはいかないシーズンを過ごした細貝。アウクスブルク時代の恩師ルフカイ監督の要望に応え、今夏、ヘルタへの移籍を決断した。自らを良く知る指揮官の下、本職のボランチとして開幕からコンスタントにスタメン出場を果たし、攻守に存在感を放っている。
山口螢らの台頭により、日本代表でのレギュラー争いでは一歩後退した印象があるものの、今シーズン、ブンデスリーガの日本人選手の中で、最も高い評価を受けているのが細貝だ。前節のホッフェンハイム戦では4-1-4-1のワンボランチのポジションに入り、相手のキーマンであるフィルミーノらを封殺。得意の守備のみならず、テンポの良いパス回し、機を見たオーバーラップで攻撃に厚みを加え、チームの連敗ストップに貢献した。現地の有力誌である『キッカー』誌は2・5の高評価を与えている(最高は1、最低は6)。
対戦相手となるレヴァークーゼンは、第11節で最下位のブラウンシュヴァイクに足元をすくわれたものの、前節はソン・フンミンがハットトリックを達成するなど、攻撃陣が大爆発。キースリンク、カストロの加点もあり、5-3で勝利を挙げ、2位ドルトムントに勝ち点で並び3位に付けている。チーム総得点の約3分の2にあたる18ゴールをたたき出しているソン、サム、キースリンクの強力3トップはもちろん、バイエルンから加入した若手司令塔エムレ・カンの優れたパスワークにも注目したい。
ともに多くの代表選手を抱える2クラブだ。とくにアフリカ、アジアへの遠征をこなした選手たちのコンディションも懸念される。レヴァークーゼンはドイツ代表のサム、ラース・ベンダーが、15日のイタリア代表、19日のイングランドと強豪相手のアウェー戦に臨んだほか、スパヒッチ(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ代表)、クルーズ(オーストラリア代表)、ソン(韓国代表)らが代表戦に参加。ヘルタ・ベルリンからは日本代表の細貝のほか、サミ・アラギ、ベン・ハディラの2人がチュニジア代表の一員としてカメルーン代表とのワールドカップ予選プレーオフを戦った。スイス代表ルステンベルガーはソンを擁するアウェーの韓国代表戦に出場し、逆転負けを喫しただけに、リベンジに燃えているかもしれない。