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<インタビュー>ブッフォンが語る日本サッカーとザッケローニ

2013.12.26

 スクデット連覇を果たし、今シーズンも第16節終了時点でセリエAの首位を快走するユヴェントス。そのゴールを守るのがジャンルイージ・ブッフォンだ。15年以上もの間、「世界最高のGK」の一人と評価され、2006年のドイツ・ワールドカップ制覇でMVP級の働きを見せるなど素晴らしい実績を誇るブッフォンに、躍進する日本サッカーの印象について質問した。

 イタリア人は何ごとにも伝統を重んじる保守的なタイプが多いが、ブッフォンは好奇心旺盛で、新しいものを進んで知ろうと思うタイプの男だ。プロリーグが生まれ、サッカー文化が発展し、代表が強くなる日本サッカーの成長ぶりに、常に関心を持っていたと言う。

「日本のサッカーは昔から興味を持って見ている。10年か15年前の日本サッカーにはまだ限界があった。特に戦術面で壁を乗り越えることができていなかったように思う。僕たちから見ると、本来の実力をうまく発揮できない、そんなもどかしさがあった」

 転機はどこにあったのだろうか。「サッカーから国境がなくなったことさ」と彼は言う。「サッカーの国際化が進んで、地球が狭くなった今、国や地域のサッカーレベルの差を乗り越えるのが簡単になった。戦術はもちろん、テクニックの面でもフィジカルの面でも、今や新しい方法が生み出されると、すぐに世界中に伝わっていく。日本人は新しいものを取り入れ、工夫して使いこなすのが得意だよね。その特性がサッカーでも発揮されたんだ」

 1月からは本田圭佑がミランに加わり、敵として彼と相対することになる見込みだ。日本人プレーヤーがヨーロッパのトップリーグで活躍する現状を、彼はどう見ているのか。「さっきも言ったとおり、サッカーに国境はなくなった。昔はともかく今では、ある選手が活躍できるかどうか予想する時、国籍を見ても意味がないってことだ。だから、日本人選手が活躍しても、『日本人だから』とか『日本人にしては』なんて受け止め方はしない。ただ素晴らしいプレーヤーがそこにいるだけさ」

 日本代表を率いるザッケローニは、数年前にユーヴェの監督を務めていた。短期間の指導ではあったが、ユーヴェの選手たちから敬意を持って思い出されるザックが日本代表を率いることについて、ブッフォンは好印象を抱いている。「戦術面でレベルアップしたい国が、代表チームをザックに任せるというのは、すごく適切な選択だったと思う。僕たちはザックのことをよく知っている。戦術的にすごく周到な監督で、指導がうまい。彼のおかげで日本代表の試合運びはかなり上達したはずだ」

 ワールドカップまであと半年。ブッフォンは日本代表の期待度についてこう述べている。「多くの選手がヨーロッパで貴重な経験を積んでいることは大きい。ザッケローニが腰を据えて作り上げたチームだから、期待できると思うよ」

 日本とイタリア。両国は決勝トーナメント1回戦で当たる可能性がある。

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