OSAKA, JAPAN - FEBRUARY 12: Diego Forlan attends at a news conference on joining Cerezo Osaka of J. League at Nagai Stadium on February 12, 2014 in Osaka, Japan. (Photo by Koji Watanabe/Getty Images)
12日、セレッソ大阪は長居スタジアムで、ウルグアイ代表FWディエゴ・フォルランの入団会見を行った。岡野雅夫社長とともに会見に臨んだフォルランは、日本語での挨拶などを交え、新天地での意気込みを語った。
[写真]=Getty Images
ディエゴ・フォルラン入団会見全文
フォルラン こんばんは。日本の皆様、はじめまして。ディエゴ・フォルランです。セレッソ大阪で頑張りますので、どうぞ宜しくお願いします。日本政府、Jリーグの皆様、ここでプレーができる機会をいただき、感謝致します。以前から日本のファンでした。過去に3回、日本に来たことがあります。素晴らしいおもてなしを受けました。たくさんの希望と夢を持ってきました。去年、チームは4位まで行きました。今年、良い成績を残せるよう、全試合努力します。どうも、ありがとうございました。おおきに。(以上、全て日本語で)
こうして、セレッソ大阪というクラブに来ることができて嬉しく思っています。改めて日本の皆さんが温かく受け入れてくださったことに、すごく喜びを感じましたし、今まで以上にこの強い気持ちで、戦い抜こうというやる気も、より一層強く感じたように思います。
―――C大阪を選んだ理由は?
フォルラン 代理人の木村さんを通してオファーをいただいた時に、強い気持ち、熱い思いを感じましたので、それが大きな要因だったと思います。過去3回、日本来たことがありますが、いつも日本という国の素晴らしさ、文化であり、人を思いやるリスペクトを肌で感じたことも、動機の一つにあると思います。日本のサッカーは技術レベルが高く、スピードがあり、非常にいいサッカーをしていると思います。オファーをいただいたことは、私にとってチャレンジであると思い、決断しました。
―――決め手となった具体的なエピソードは?
フォルラン クラブの方の熱い気持ち、情熱です。チームに若い選手が非常に多いと聞きましたが、私が加わることで、さらにそのクオリティを高めていきたいという気持ちをひしひしと感じました。先ほども言いましたが、日本という国でサッカーにおいても、生活においてもセレッソには良い環境がある、そういう選択をすることで自分の人生も幸せになると感じました。
―――Jリーグ、C大阪の印象は?
フォルラン セレッソについては、常にいい選手を輩出してきたこと。それから、特にここ最近は優れた育成組織から若い選手がどんどん育っていって、海外に飛び立っていると聞き、いい印象を受けました。Jリーグはフィジカル、技術など全てレベルの高い、非常に良いリーグという印象がありました。
―――気になる選手は?
フォルラン これまで、セレッソに関する情報は聞きました。代表にいる選手を含め、クオリティも高いと聞いていました。でも実際に試合を全て見たことはないですし、これからの練習で少しずつチームメートのことを覚えていきながら、ともに戦っていきたいと思います。
―――若い選手が多いクラブから期待されていることは?
フォルラン 求められていることは、今まで他のチームでやってきたことと同じことを求められているのではないかと思っています。自分の持っているものを発揮し、得点を決めるということ、これがどのクラブでも求められてきたことで、このクラブでも求められていることだと思います。また、おっしゃったように若いチームということもあり、私の経験を練習、試合において、選手たちに伝えていきながら、アドバイスが必要であればしていきたい、そういう部分を求められているのではないかと思っています。
―――抱負と注目ポイントを
フォルラン 常に心掛けてきましたが、ピッチに入った以上、ゴールすることを含めて、ベストを尽くす姿勢、チームのために献身的に戦っていく姿勢を見ていただきたいと思っています。
ディエゴ・フォルラン入団会見、質疑応答全文
―――日本に来ることに不安、躊躇はなかったか? 現在のコンディションは?
フォルラン 日本にくるということに心配、不安は全くありませんでした。なぜならば、先ほども言いましたが、日本のサッカーは非常に技術レベルが高くて、フィジカル的にもハードなものを要求される。そういったリーグで戦うことによって、逆にワールドカップに向けて、いい準備ができるのではないかと考えています。まったくもって心配というのはありませんでした。
最後の公式戦は昨年の12月8日、ブラジル全国選手権の後半に出場したことになります。インテルナシオナルでのキャンプには合流していましたが、移籍が決まりチームを離れ、今年になってから試合はしていません。しかし、練習はしっかり積んできましたので、コンディションは非常に良い状態にあると思います。あとは練習、試合を通して試合勘を取り戻していくことが大事ではないかと思います。
―――日本語をこれまでに学ぶ機会があった? 日本語はどれくらい話せる?
フォルラン レベルはまだまだ低いです。ただ、単語はかなり覚えてきましたので、本当に難しいとは感じていますが、わかる単語もかなりあるのではないかと思っています。今回の移籍が決まった後、ウルグアイの大使館のアケミさんという方に、私と妻の2人で日本語のレッスンを受けてきました。言葉は私の母国語とは全く違いますので、少しずつですけど、努力を重ねて、妻も含め日本語をいち早く覚えたいという気持ちはありますので、努力を続けていきたいと思っています。
―――選手、監督の印象は?
フォルラン 今日は短い時間でしたが、クラブハウスへ行け、監督、スタッフ、チームメートと会えたことは良かったと思います。ただ、本当に短い時間しかなかったので、チームメートとは簡単な挨拶程度しかできませんでした。ポポヴィッチ監督とは、彼がスペイン語を話せるということで、少し時間が取れました。クラブハウスは美しくきれいで、見た瞬間に早く練習して、サッカーをやりたいと思いました。
―――ACL、Jリーグの開幕が迫っているが?
フォルラン (出場は)監督が決めることだというのは、私もわかっています。ただ気持ちとしては、今まで1カ月近く体を動かして準備をして来日しましたし、ACL初戦の25日に可能であれば先発で出場したいです。ボールワークを含め、試合勘を取り戻し、ACL初戦を目標としていきたいです。
―――Jリーグが世界のトップリーグに近づくためには何が必要? また、自身は何をもたらせる?
フォルラン イタリア、イングランド、スペインでプレーしましたが、ここは他の国に比べ、多少レベルが上だと思います。しかし、それぞれの国にそれぞれのスタイルがあり、レベルもそう大きくは変わらないと思います。ではなぜ3カ国のレベルが高いかというと、1つは資金力だと思います。日本の選手やウルグアイの選手が、いい契約の話をもらい、そういったクラブでプレーすることは資金力の違いです。日本、メキシコ、ブラジルといった国は、私の目から見る限り、大きな差はないと思います。
―――サポーターからのメッセージを受けての感想と長居スタジアムの印象は?
フォルラン 最高の印象です。メディアやサポーターの方に温かく受け入れてもらい、嬉しく思います。先ほども言いましたが、セレッソの社長、代理人の木村さんをはじめ、私に熱意を向けてくれたこと、これを改めてここで感謝したいです。ほんの少しの時間ですが、大阪の街を車で走りながら見ましたが、非常にいい印象を受けました。そしてこの長居スタジアムだけでなく、キンチョウスタジアム、そしてクラブハウスと最高の環境が整っているので、早く練習、早く試合がしたいです。サポーターの皆さんが温かく受け入れてくださったことへの感謝を伝えるには、ピッチでベストを尽くす、これに尽きるのではないかと思います。
―――具体的な数字の目標は? 希望のニックネームは?
フォルラン 数字の前に、監督がどこで起用するかがあると思うので、それをもとに考えていきたいと思っています。ニックネームは『フォルラン』でも『ディエゴ』でも好きな呼び方で呼んでいただければ。
―――実際、JリーグやC大阪の試合は見たか?
フォルラン 特に挙げられる試合はありませんが、いろんな試合を見てきました。特にゴールシーンはインターネットでも見ることができるので。そこからサポーターのパッション、情熱をスタンドから感じましたし、横断幕や旗がよく使われていて、そういったところが印象に残っています。
―――日本への移籍について、家族とはどういった話を?
フォルラン 家族の存在は非常に大事です。昨年末に結婚したのですが、その準備をしていたところで、昨年10月に日本に行く可能性がある話を聞きました。その時、妻から『あなたはいつも日本を素晴らしいと言っている。常にリスペクトを忘れない国民性、美しい国で礼儀正しい日本の皆さんがいると言っているから私も行きたい。あなたがどこに行こうが、ついて行く』と言ってもらいました。
―――日本での生活で楽しみにしていることは?
フォルラン 今まで日本に来た時は、東京や仙台に行きました。今は京都です。いろんな方が、『本当に美しいところなので、ぜひ行ってみたら』とおっしゃってくれたので。また、インターネットなどで検索した時、他にも美しい場所はあったので、時間があれば、どんどんいろんなところへ行きたいと思っています。
―――日本でも得点王になる意気込み、W杯へ臨む意気込みは?
フォルラン スペインで2回得点王になりましたが、その時感じたのは、いいプレーをするためには人生を幸せに感じていなければ、できないのではないかと思いました。まず、自分の大好きなサッカーができる、日々練習ができて週末に試合ができるという環境が自分に与えられていることを感謝し、日々暮らすことが、結果として最高のプレーを生むと考えています。
そして、今年ワールドカップとなりますが、私の選択としてこのチャレンジを決断しました。今まで、『まさか日本でプレーする』とは考えたこともなかったですが、日本のサッカーを見たことがある私としては、レベルが高く、技術力もあり、フィジカルもタフなリーグ、その中でワールドカップという大切な大会を迎える1年、人生を懸けて挑戦する価値があると思い、移籍を決断しました。私、そして家族にとってもワールドカップイヤーが素晴らしい1年になることを願っています。その結果、セレッソ大阪というクラブにとって、最高の成績につながるよう、心から願っています。