写真●Bongarts/Getty Images
まさに、英雄の帰還である。MF香川真司がドルトムントに電撃復帰を果たしたことで、ドイツ中が大騒ぎとなっている。
8月末、突如としてドルトムントへの復帰説が湧き上がると、ドイツ各紙が連日に渡って香川の一挙手一投足を報道し続けた。同月31日に3シーズンぶりの復帰が決定するや否や、ドイツ屈指の熱狂度を誇るファンはもちろんのこと、指揮官やチームメートもかつてクラブに黄金期をもたらした立役者を歓待した。
何より香川自身が、「ドルトムントの地でサッカーをできることが楽しみですし、ファンやチームメートと一緒に素晴らしい時間を共有できたらいいなと思います」と喜んでいる。「ドルトムントのようなサッカーは、自分にはすごく合っていると思いました。同時に、また結果を残してチームに貢献したいという気持ちが強かったので決断をしました」と気合十分。合流してまだ間もないが、復帰戦は13日に行われるブンデスリーガ第13節のフライブルク戦となりそうだ。
開幕黒星スタートで、大黒柱のドイツ代表MFマルコ・ロイスも7日の代表戦で負傷。チームは早くも危機的状況にあるだけに、香川には復帰早々に救世主としての活躍も求められるだろう。とは言え、5日に行われたドルトムントU-23チームとの練習試合では、1ゴールを記録。すぐさまチームに適応して勝利に貢献したあたりは、さすがと言ったところか。
香川は、2010-2011シーズンから在籍した2年間で、公式戦71試合出場で29得点をマーク。香川の活躍と軌を一にするように、ドルトムントもブンデスリーガ連覇やクラブ史上初となるリーグとカップの2冠獲得など、栄華を極めていた。香川移籍後の2シーズンはバイエルンの後塵を拝してきただけに、若き伝説的選手の帰還は絶大なインパクトとともに迎えられた。
大観衆で埋め尽くされたホームスタジアムで、黄色と黒のユニフォームを纏った香川真司が再びピッチを駆ける。ファンが夢にまで思い、想像しただけで期待で胸が高まるシーンは、間もなく現実としてやってくる。
また、今節では香川の復帰戦以外にも、注目試合が目白押しとなっている。13日に行われるヘルタ・ベルリンとマインツの試合では、MF細貝萌とFW原口元気がFW岡崎慎司を迎える日本人対決が実現濃厚だ。また、翌14日にはDF酒井宏樹とMF清武弘嗣の所属するハノーファーが、ハンブルガーSVとホームで対戦する。開幕2試合で1勝1分けと好スタートを切ったハノーファーが、名門チームを迎えて無敗を継続できるかどうかに注目が集まる。