DORTMUND, GERMANY - SEPTEMBER 27: Borussia Dortmund's Shinji Kagawa after the final whistle during the Bundesliga match between FC Schalke 04 and Borussia Dortmund at Veltins Arena on September 27, 2014 in Gelsenkirchen, Germany. (Photo by Alexandre Simoes/Borussia Dortmund/Getty Images)
14年ぶりの5連敗、今シーズンのブンデスリーガで唯一の7敗目、そして自動降格圏の17位…。第10節を終え、日本代表MF香川真司が所属するドルトムントが依然として窮地から脱せずにいる。
今シーズン序盤から不安要素はあった。ドイツ代表DFマッツ・フンメルス、同MFマルコ・ロイス、トルコ代表MFヌリ・シャヒン、ポーランド代表MFヤクブ・ブワシュチコフスキら、昨シーズンの主力が続々と負傷離脱し、開幕戦ではレヴァークーゼンのドイツ代表FWカリム・ベララビにブンデスリーガ史上最速となる開始9秒ゴールを決められ、0-2で敗戦。
8月末に香川が電撃復帰し、その復帰戦では同選手自ら得点を決め、勝ち点3を得るなど明るい話題もあったが、その後ドルトムントが低迷しだすと、ドイツメディアは「Krise(危機)」の文字を書き始め、それが今や「Abstieg(降格)」に変わってきている。
大衆紙『ビルト』は同クラブの問題点として、「得点率」と「フィットネス」を挙げている。
まず前者については、1ゴールを挙げるまでに要するシュート数が約15本(6.47%)とのことで、これはハンブルガーSV(3.39%)に次ぐ得点率の低さだという。エースに君臨していたポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキ(現バイエルン)の穴は大きく、昨シーズンの13.03%、一昨シーズンの14.57%をはるかに下回っている。
そして後者。1試合当たりの全選手走行距離の平均値が120.5kmを記録し、全18クラブ中トップクラスの数字を維持している点は過去数シーズンと変わらないが、今シーズンは終盤でのガス欠が多く、17失点のうち11失点は60~90分の間に生まれているという。試合終了まで粘り強い守備を見せていた近年の姿は、今の彼らにはない。
第9節のハノーファー戦などはこれが最も顕著に表れた試合だった。何度もゴール前でチャンスを作り、18本のシュートを放とうとも、結局ノーゴール。そして62分、MF清武弘嗣のフリーキック1本でやられてしまった。
このハノーファー戦後にユルゲン・クロップ監督が、「選手はよくやっている。チームの周り(指導者陣)がもっと頑張らなければならない」と珍しく弱気な発言を残したように、指揮官の采配にも迷いが見える。
前線だけでなく、最終ラインの陣容も毎試合のように変わり、センターバックが本職のギリシャ代表DFソクラティス・パパスタソプーロスを左右のサイドバックにコンバートしたかと思えば、大一番のバイエルン戦ではポーランド代表DFウカシュ・ピシュチェクとドイツ代表DFエリック・ドゥルムら“本職”を再び両SBに配置。軸となる選手やシステムを、いまだ見つけられていない印象を受けてしまう。
次節は、昨シーズン2戦2敗と分が悪く、現在3位につけている好調ボルシアMGが相手。トンネルを抜け出すのか、それとも最悪の6連敗か。注目の一戦は9日17時30分(ドイツ時間)にキックオフの時を迎える。