文=かるちゃとーれ RYU
ろう者サッカーとは?
サッカーの世界では、様々なカテゴリーでサッカーが存在しますが、その中にあるろう者サッカーをご存じでしょうか?
ろう者とは聴覚に障がい者を持つ人たちを意味し、聴覚障がい者たちがサッカーをする。すなわち「音のない・声のない」サッカーということになる。
私自身も聴覚に障がいを持っていることからこのサッカーはとても身近で必然的なものです。
そして、選手や協会スタッフ等と長らくろう者のサッカーに関わらせて頂いた経験もあります。
ろう者のサッカーって何が違うのと言われれば、「声や音がない」サッカーと答えるのですが、一般的に「声や音のない」世界というのはどういうものなのか具体的に言葉にするのは難しいものです。例えば、健聴者が耳栓した状態でサッカーをするにしてもろう者は中途失聴者を除いて、生まれながらにして音の世界の存在さえ知らないのですから彼らと同じように経験できるとはなかなか言い切れません。
ただ、耳栓した状態では周りの指示の声が聞こえないので視覚や感覚に頼るといったものでは彼らが持つ世界と近いものが感じられるかと思います。
競技ルール自体もFIFAのルールと全く変わりありませんが、選手自身は、補聴器や人工内耳を外してプレーし、線審のみならず、主審が旗を持つことにより彼らが視覚的に判断できるように工夫したり、それぞれのゴールの左右横に主審からのファール等を知らせる旗を振る人がいるというまさにろう者の視点ならではの視覚情報の確保をできる限り確保するルールとなっています。そして、フィールド内外では彼らの言語である日本手話がコミュニケーション手段となります。さらに監督やコーチ等のベンチからの指示も声ではなく、手話を通じて伝えることになります。
今やA代表のハリルホジッチ監督は、外国人監督で日本語はまだ話せませんが、例としてそれと同じようにろう者のサッカーでも健聴者が監督の場合は、ご自身が手話を話せる以外は通訳を介して、選手に伝えています。
イタリアのコモ在住。コモは、セリエBに昇格したばかりのチーム。そして、湖が目前のスタジアム。やっぱり、この国でのサッカーの情熱は、地元から発信するものですね!
自身がろう者(聴覚障がい者)であることから日本とイタリアのろう者サッカーやイタリア在住ならではの独自の視点でのイタリアのサッカー文化をお届けしたいと思います。そして、外からの視点で日本代表を斬ったり、それらを通じて議論できれば幸いです。
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By サッカーキング編集部
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