●取材=小松春生 ●写真=兼子愼一郎 ●取材協力=アディダス
浦和レッズに所属する日本代表DF槙野智章が10月27日に取材に応じ、大詰めを迎えた2015年シーズンのJリーグや日本代表について心境を明かした。また、アディダスが展開する「climaheat(クライマヒート)」を着用し、冬場のトレーニングについても語ってくれている。
広島との関係を“因縁”と言われることは、Jリーグを考えれば非常にポジティブ
―――年間優勝争いがサンフレッチェ広島とデッドヒートとなっています。
槙野 いいですねー。面白いんじゃないですか?(笑)
―――残り2節で勝ち点68で並んでいます。
槙野 それだけ得失点差が大事だと改めて思っています。周りからは広島と浦和が因縁の相手と思われてもおかしくない……。でもそういったチーム同士が優勝争いをして、両チームのサポーターの盛り上がり、両チームの負けたくないという強い気持ち、勝たなければいけないという緊張感のある中で試合をしているということは、Jリーグ全体のことを考えれば非常にポジティブなことだと思います。
浦和にとっても、広島にとってもお互いが勝つことで刺激しあえることもあります。今でも広島のスタッフと仲がいいですが、一目散に浦和の結果を気にするというくらい、それだけ浦和に負けたくないから自分たちも頑張ると意識があると聞いています。
―――浦和の選手は広島をどう意識しているんですか?
槙野 みんなはそんなに意識していないです、正直。
―――槙野選手含め、広島に在籍していた選手も同じ意識ですか?
槙野 広島を意識するというか、純粋に広島より上の順位に立ちたいですよね。広島でプレーしていた選手もたくさんいますし、ペトロヴィッチ監督もそうなので。“勝ちたい”という思いはあります。
―――広島は槙野選手が移籍してからタイトルを取っています。
槙野 でも、間違いなく広島のおかげで成長できている部分もあります。感謝しています。
今年は優勝争いをしている中でも楽しめている
―――槙野選手は両チームの因縁についての当事者と言われていますが、どう思われていますか?
槙野 面白いですよ。選手の名前が呼ばれたときにブーイングをされるのは、当たり前と言うかあることだと思います。ただ、試合中にボールを持ったときまでブーイングされるので、逆にそれで燃えるし、それだけ僕のことを意識しているからこそやるんだなと思いますし。ブーイングが力になっています。
―――その試合に至るまでの背景やエピソードがあるほど試合も盛り上がります。
槙野 そういうチームがどんどん増えて、その状況でいかに力を発揮できるかが、選手にとって試されていることです。Jリーグやサッカー界のことを考えれば非常にいいことだと思います。そこでひるんでしまうのであれば、選手としての成長は無いですしね。
―――チャンピオンシップの決勝はホームアンドアウェーで開催となりますが、広島と対戦したいですか?
槙野 やりたいですよね。ただ、そこに僕たちも立たないと始まらないので。昨年は、より緊張感のある終盤の試合で勝てずに失速してしまいました。でも、そういう失敗を経験した選手が今年はたくさんいますし、なぜそうなったのかを考えたときに、楽しむ姿勢を忘れていたというのが今の僕たちの根本にあるので。優勝争いをしている中でも楽しめている自分たちがいます。
―――今年は違うぞ、という雰囲気がチームにあると。
槙野 はい、そうですね。ただそうは言っていますが、結果を出さないと始まらないです。
―――11月には日本代表としてロシア・ワールドカップのアジア予選2試合も控えています。
槙野 一つの目標として、日本代表は一選手として目指さないといけない場所です。ハリルホジッチ監督になって呼ばれている選手として、W杯に出場するという気持ちを常に持ってプレーすることは絶対に必要なことだと思っています。監督はいつも足りないところを要求することが多く、毎回呼ばれた時に「ここがダメ」「ここを伸ばせ」とおっしゃっているので、僕らがそれを日々成長、前進につなげています。代表に呼ばれることは、僕個人にとっても成長するチャンスだと思っています。呼ばれるだけではなく、ピッチの上でしっかりと結果を出すことが大事です。
槙野が語る冬場のトレーニング
―――冬場の練習で気を付けていることはありますか?
槙野 個人的に着込んでトレーニングするのが嫌いなんです。できるだけ最小限に抑えてトレーニングしたいんですけど、『climaheat(クライマヒート)』に限って言えばインナーとパーカーだけで大丈夫です。みんな何枚も羽織って練習していますけど、1枚でも十分ですね。僕は、よりタイトで薄くてあったかいものを求めているのでベストですね。かなりあったかいですよ。熱いくらいです(笑)。デザインも気に入っています。
―――実戦に近いイメージで練習できますね。
槙野 冬でも半袖で練習したいくらいなので。1枚でもあったかいから、動きやすいです。
―――冬場だと筋肉系のけがが増えやすくなります。
槙野 そうですね。特に控えの選手は試合前に入念にアップしても、試合が始まると冷えてしまい、体を動かした時にけがをするケースもあります。体の内面から温めることも大事です。
―――体を温めることはアスリートにとって大切なことですね。
槙野 大事ですよ。下準備は大事ですし、ハートも温めないと(笑)。
―――ドイツでプレーしていた時は特に寒かったのでは?
槙野 今もドイツはそうですけど、着脱が簡単なブーツをシューズの上からはいていました。毛布で体もくるんで。
―――そこから急に出場の声がかかったら大変ですね。
槙野 難しいですよね。体を作る上で自分のハイパフォーマンスを出すためにはしっかり準備をしないといけないですし、体を冷やすことはよくないですから。
―――チャンピオンシップの決勝は冬場のナイトゲームになりますが、特に気を付けたりすることはありますか?
槙野 体が温まる前にキックオフしてしまうので、自分のパフォーマンスが15分から20分、停滞してしまうことがあります。ホイッスルと同時に自分の100%の力でいける準備と、それだけのこういったアイテムも大事ですね。
―――よりウォームアップが大切ですね。
槙野 大事です。開始直後に点を取る、取られるで試合が決まってしまう部分もありますし。お客さんも見ていて寒いので、飽きさせない試合展開やプレーを見せないといけないですね。
アディダスが展開する、より軽く進化したアディダス独自のテクノロジー「climaheat(クライマヒート)」を搭載したトレーニングウェア。素材となる繊維にホロファイバー(中空糸)を採用。ホロファイバーは、糸の中が空洞となった中空構造が特徴で、糸の中に空気を溜め込むことで、優れた保温効果を発揮するとともに、軽さも備えている。
メンズトレーニング、ウィメンズトレーニング、ランニングウェア、ランニングシューズが展開中。アディダス直営店、adidas ONLINE SHOP、全国のアディダス取り扱い店にて発売中だ。
By 小松春生
Web『サッカーキング』編集長