ナイキが主催するフットボール大会『WINNER STAYS TOKYO』で、大学生4人組の『ロックマン』が怒濤の18連勝を飾った。その勢いは対戦を待つ長蛇の列が一巡するほどで、会場からは思わず拍手が沸き起こった。
11月14日、15日に予選ラウンドの「WEEK3 WEEKEND GAME」が開催され、総勢25チーム(106名)がファイナル進出を懸けて激突した。本大会の特徴は何と言っても“超攻撃的な変則ルール”。フットサルコート半面程度のピッチでGKなしの4対4が実施され、そのゲームの2点目を決めたチームが勝者となる。最初のゴールを決められたチームは1人が退場し、4対3で試合を続行する。次のゴールを決めたチームが勝利を手にし、勝ったチームはピッチに残って次の挑戦者を迎え撃つ。制限時間5分以内に勝敗が決まらない場合は両チームともに敗退。リスクを冒してでも勝ち続けなければ、頂点に登りつめることはできない。
順調に勝利を重ねる『ロックマン』の作戦は緻密に計算されたものだった。昨年も同じメンバーで出場した彼らは、最後方で守る、サイドで仕掛ける、前線でゴールを狙う選手とそれぞれに役割を与えることで相手を翻弄した。ただひたすらゴール前にボールを放り込むだけでは結果的に足が止まってしまうことを経験しており、疲労を考慮してパスサッカーを選択。「僕らはドリブルで仕掛けることをしないから1人1人の負担が少ない。疲れるとしたら前線でプレスを掛ける時くらい。昨年の反省点を踏まえて作戦を立てた」と連勝のコツを明かした。
その中でも強烈なインパクトを残したのが、NEO(東京都3部フットサルリーグ)に所属する武藤大樹。前線で高いボールキープ力を発揮し、相手を背負いながら放つ強引なシュートは幾度となくネットを揺らした。かと思えば、相手をあざ笑うかのようなヒールシュートを決め、観客を魅了した。武藤は各WEEKで最も目立ったプレーヤーに贈られる“LOCAL HERO”(MIP)を受賞。「ファイナルでも勝ちますよ」と語る表情は自信に満ちていた。
とにかく点を取らないと勝てないところが面白い
――LOCAL HEROに選出された率直な感想を聞かせてください。
武藤大樹(以下、武藤) 素直に嬉しいです。
――『ロックマン』は高校時代(日本航空高等学校)のサッカー部で組まれたそうですね。サッカーはいつ頃から始めたのでしょうか?
武藤 幼稚園の年長からです。大学でもサッカー部に入部したんですけど、途中からフットサルに転向しました。昨年はFリーグの下部組織でプレーして、今年は都リーグに移籍しました。実は昨年、バルドラール(浦安)のセレクションでセグンド(関東フットサルリーグ1部在籍)には受かったのですが、断りました。トップチーム入りを狙っていたので、やっぱり悔しくて。Fリーグを目指して今年もセレクションを受けようと思っています。
――なぜサッカーを続けずに、フットサルに転向したのですか?
武藤 なんかつまらなくなったんですよ(苦笑)。ベンチだったけど全国(第91回全国高等学校サッカー選手権大会出場)まで行ったので、自分の中でやり切った感じがありました。だから今は新しい挑戦をしているところです。
――では、得意技を教えてください。
武藤 マルセイユ・ルーレットが一番得意です。でも、今日はピッチが少し濡れていたので、ヒールシュートですかね。特にこの狭いピッチ、変則ルールだとヒールシュートがよく決まるので、これは持ち味です。
――鮮やかなヒールシュートでゴールを量産していました。
武藤 決まった時は「やったぜ!」って気持ちになりますね(笑)。今日のベストプレーです。
――「WEEK3 WEEKEND GAME」の1日目は18連勝、2日目も最大で9連勝を収めました。今回はどのような作戦で臨みましたか?
武藤 他のメンバーも普段からフットサルをしているので、フットサルのようなフォーメーションを取りました。コート内にL字型を敷いて、僕が前線の左角に入る。僕は相手を背負ってもタメを作ることができるので、縦パスを受けた時に逆サイドへ走り込んだ仲間に渡して、ファーサイドからゴールを決める作戦で戦いました。予選ラウンドで負けてしまった昨年の反省点も活かしています。昨年は、とりあえず僕にボールを預けてもらう作戦だった。でも今年は、誰か一人に頼るのではなく、チーム全員で戦えたことが大きい。チーム全員で戦って、そこに結果もついてきたことが一番嬉しいです。
――変則ルールの楽しさは?
武藤 とにかく点を取らないと勝てないところが面白い。守ってばかりでは両方負けてしまう。どうせ負けるにしても、攻め切って負けたほうが気持ちが良いし、守備より攻撃のほうが絶対に面白い。それを凝縮したルールになっている点が一番面白いですね。
――リスクを冒す怖さは?
武藤 先制されて数的不利になったときは後ろが2人になるので、間を取られた場合、ゴールのど真ん中が空いてしまう。そこでシュートを打たせてしまう怖さはありましたね。
――ゴールを狙うあまり無口になっているチームが多かったけれど、『ロックマン』は一番声が出ていて楽しそうにプレーしていました。
武藤 久しぶりに集まったメンバーだったけど、チームワークは参加チームの中で一番良いんじゃないですか?(笑) 真剣勝負なのは分かるんですけど、ガチガチでプレーしているチームが多かった。僕たちは笑顔で声を出しながらプレーできたし、やっぱり勝ちたいという気持ちが一番強かったんだと思います。
――個人プレーでもチームワークでも負けない自信がある?
武藤 はい。負けないですね。絶対にファイナルでも勝ちますよ。
――最後にファイナルへの意気込みをお願いします。
武藤 これまでフットサルで学んだことや昨年の悔しさもプレーに活かしたいですし、見ている人が楽しくなるようなフットボールをしたいですね。もちろん優勝は狙います。体を張るところは張って、球際での勝負もしながら、仲間と勝利を掴みます!
各週末に開催される「WEEKEND GAME」では、勝利チームに2ポイントが与えられ、1日に獲得できるポイント数に制限はない。いかに勝利ポイントを稼げるかが予選突破の鍵となる。その他、各WEEKのゲームには不定期で開催されるストリートバトル「STREET GAME」があり、勝利チームには1ポイントが与えられる。各ゲームにおいては同一のチームであっても何度も参戦が可能で、それぞれの勝利ポイントの合算で順位を競う。なお、FINAL ROUND進出への条件は以下のとおり。
2、各WEEKの獲得ポイント2位の中から上位2チーム
3、上記6チームを除いた総合順位の上位2チーム
4、FINAL直前に開催されるTHE LAST ROUNDでの獲得ポイント上位2チーム
予選ラウンド最終週の「STREET GAME」は16日から20日まで、「WEEKEND GAME」は11月21日にFUTSAL POINT SALU 池袋、22日に明治神宮外苑フットサル 千駄ヶ谷コートでそれぞれ開催される。『WINNER STAYS』のエントリーやルールなどの詳細情報はキャンペーンサイト(http://gonike.me/6182BuDtY)で確認でき、参加エントリーはこちらから可能。申し込み時点で満13歳以上であれば誰でも参加ができる。FINAL優勝チームにはMAGISTAXの提供やワールドサッカーキングの裏表紙に掲載されるだけでなく、ナイキアスリートによって結成されたドリームチームに挑戦できるチャンスも手にする。ファイナル進出を懸けた戦いもついにラスト。誰でも参戦できる『WINNER STAYS』に挑んでみてはどうだろうか。
[写真]=片岡純 Photo by Jun Kataoka
By サッカーキング編集部
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