レアル・マドリードとバルセロナによる伝統の一戦、エル・クラシコ。このビッグマッチの雰囲気や魅力は、現地観戦を体験せずには語れない。

文=工藤 拓 Text by Taku KUDO 写真=ムツ・カワモリ Photo by Kawamori MUTSU
携帯電話をしまって五感で感じてほしい
2007年3月10日、カンプ・ノウで繰り広げられた壮絶な打ち合いは、終了直前に当時19歳のリオネル・メッシがハットトリックを達成して3-3のドローで幕を閉じた。それ以降、いくつものビッグゲームを取材する機会を得てきたが、初めてスタジアムで見たあのクラシコほど強烈なインパクトを受けた試合はない。
サンティアゴ・ベルナベウは8万人、カンプ・ノウは9万8千人。スペインを代表する2大クラブの本拠地が誇るのは、欧州最大規模の収容人数だけでなく、そのコンパクトな設計にある。急勾配のスタンドが3層、4層と縦に重なる“すり鉢状”の空間は、観衆が発する喜怒哀楽のエネルギーをスタジアムの内側に閉じ込め、濃密な空間を作り出す。キャパシティーが大きすぎるため普段はスタンドが満員になることは滅多にない。また、多くの外国人観光客が訪れることもあり、実際はどこか浮ついた、お祭り的な雰囲気になる試合がほとんどだ。
だが、クラシコは違う。
By サッカーキング編集部
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