2015シーズンは、開幕前にリーグ優勝候補に挙げられながらも序盤戦から不振に陥り、1stステージは8位に低迷。4年ぶりの出場となったAFCチャンピオンズリーグでも、グループリーグでの敗退を余儀なくされた。巻き返しを誓って臨んだ2ndステージは、開幕戦で白星を挙げたものの、第2節は最下位に沈む清水にホームで勝ち切れず、続く第3節は昇格組の松本に完敗。そして松本戦の敗戦から2日後の7月21日、クラブはかつて黄金期を築いたトニーニョ・セレーゾ監督の解任に踏み切った。
ただ、結果としてこの荒療治が奏功することになる。コーチを務めていた石井正忠氏が新監督に就任して以降、リーグ戦で怒涛の6連勝を記録。球際での激しさや勝利への執着心など、“らしさ”を取り戻したチームは、快進撃を続けた。3年ぶりに決勝戦へと駒を進めたナビスコ杯では、2014シーズンの三冠王者であるG大阪を3-0で下して優勝。クラブにとって通算17度目のタイトル獲得は、若手主体のチームに自信と勢いをもたらした。2ndステージでは最終節まで優勝の可能性を残しながら、惜しくもリーグ制覇を逃したが、後半戦のパフォーマンスは新シーズンへの期待を抱かせるには十分なものだった。
迎えたオフシーズン、クラブは左袖の星の数を増やすべく、選手補強に動いた。湘南から完全移籍で獲得した永木亮太は、豊富な運動量と安定したパフォーマンスを持ち味とし、「タイトル獲得のため、チームに貢献できるように全力を尽くす」と意気込みも十分。最後尾からチームを支えるGKには、U-23日本代表に名を連ねる櫛引政敏を補強した。なお、永木や櫛引ら新加入選手は、新体制発表会見に出席。いばキラTVが速報で配信する同会見では、新背番号も発表され、本山雅志の退団により空き番号となった「10」の行方にも、大きな注目が集まる。
チームのベースを維持しつつ、新たに実力者を加えて戦力アップに成功した名門クラブ――。7年ぶりにリーグの覇権を取り戻すべく、“常勝軍団”鹿島が勝負のシーズンに挑む。
■新加入選手 ※1月12日時点
DFブエノ(←清水)
MF三竿健斗(←東京V)
FW高崎寛之(←山形/期限付き移籍期間満了により復帰)
GK櫛引政敏(←清水/期限付き移籍)
MF永木亮太(←湘南)
FW垣田裕暉(←鹿島アントラーズユース)
MF平戸太貴(←鹿島アントラーズユース)
MF田中稔也(←鹿島アントラーズユース)
DF町田浩樹(←鹿島アントラーズユース)
『ANTLERS REPORT Plus』は、1月12日にアントラーズ新体制発表会見を下記URLから速報で配信します。最初から最後まで会見のすべてを動画でお楽しみ下さい。