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インデペンディエンテの育成組織に所属する高校3年生、MF伊達和輝「目標はプロ契約」

2016.01.17

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インタビュー=安田勇斗

 中3でスペインに渡り2年半、そこからアルゼンチンへ飛び1年。約3年半の海外生活で14歳の少年は飛躍的な成長を遂げた。アルゼンチン代表のセルヒオ・アグエロが「心のクラブ」と語る名門、インデペンディエンテのトップチーム昇格も、もはや夢ではなく現実的な目標となった。「普通の中学生」だった伊達和輝は、プロへの階段を着実に歩んでいる。

各国の代表選手たちと一緒にプレーできたのはすごくいい経験でした

――現在インデペンディエンテの6軍にあたるU-17に所属していますが、アルゼンチンに行くことになったきっかけは?

伊達 中3の時からスペインにいて、高3になる直前にインデペンディエンテジャパンの川久保(悠)代表からお話をいただいて行くことに決めました。

――アルゼンチンの前にはスペインにいたんですね。

伊達 はい。神奈川県川崎市の中学校の部活でサッカーをやっていたのですが、小さい時からスペインに行きたいと思っていて、中3の夏に行きました。カタルーニャ地方にあるCEエウロパというチームのトライアウトを5月に受けて、合格して9月頃からスペインで生活していました。

――中学生でサッカー留学というのは、両親も心配したのでは?

伊達 中1の時から「行きたい」と言い続けて、ずっと「ダメ」って言われていたんですけど、中3になって認めてもらいました。

――CEエウロパとはどういうチームなのでしょうか?

伊達 自分のいた年代は、カタルーニャ地方の1部リーグに所属していました。ユースのカテゴリーは全国リーグがないので、実質的にトップリーグになり、バルセロナやエスパニョールなどとも試合をしました。

――リーグではどのぐらいの位置につけていたのですか?

伊達 16歳の時のチームは18チームのうち真ん中ぐらいで、バルサが1位、エスパニョールが2位でした。その次の年は、下の方で降格争いも経験しました。

――ちなみにトップチームのカテゴリーは?

伊達 4部リーグでした。

――トップチーム昇格を目指していたのですか?

伊達 一つの目標でしたが、スペインでは各カテゴリーで結果を残せば、毎年チームを変えられるので、もっと上のチームに行くことを目指していました。

――スペインでは手応えを感じましたか?

伊達 スペインに渡って1年目の終わりに、バルセロナU-16選抜に一度呼んでもらえて、そこで各国の代表選手たちと一緒にプレーできたのはすごくいい経験でしたし、自信になりましたね。

――その自信は、以降の2年で深めることができましたか?

伊達 2年目はけがをしてしまい、納得のいくシーズンではありませんでした。それで3年目に、18歳未満の外国籍選手はプレーできない、というFIFAのルールによって試合に出られなくなってしまったんです。それからの半年間は試合に出られずキツかったです。

――スペインでは学校にも通っていたのですか?

伊達 地元の学校に通っていました。スペイン人の学校でスペイン語を学べたので、アルゼンチンでも言葉で困ることはもうないですね。

――チームメートでプロになった選手はいますか?

伊達 まだプロはいませんけど、アトレティコ・マドリードとか、マジョルカといった名門クラブに移籍した選手はいます。

夢はワールドカップで優勝すること

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――憧れの地だったスペインから、なぜアルゼンチンに行ったのでしょうか?

伊達 FIFAのルールで試合に出られないのはアルゼンチンでも同じなんですけど、川久保さんから話をもらった時に、違う環境で新しいチャレンジをしたいと思ったんです。試合に出られる同年代の選手もいる中、自分は同じ場所で練習するだけでいいのかと思うようになって、それなら違う環境で練習してもっと成長したいと。

――それからアルゼンチンでプレーして約1年が経ちました。スペインとはどんな違いを感じますか?

伊達 サッカーに対する情熱は、スペインもアルゼンチンも変わりません。どちらもサッカー大国だと思います。ただスタイルは全然違いますね。スペインは戦術がしっかりしていて頭をすごく使います。それに比べるとアルゼンチンはフィジカル面が優れていて、サッカー自体もフィジカルが特徴かなと思います。

――ここ1年のプレーはいかがですか?

伊達 自分ではサイドハーフがベストポジションだと思うんですけど、アルゼンチンではサイドバックで使われることもあって、プレーの幅が広がったと思います。レベルは高いですけど、ここでもやっていける自信はあります。

――どのぐらいの割合でサイドバックでプレーしているのですか? また、このコンバートをどう捉えていますか?

伊達 サイドバックは4割ぐらいですね。最初に起用された時は、「なんで俺がサイドバックを」という気持ちがありましたし、サイドバックの自分を認めたくはなかったです。ただ、続けていくうちにサイドバックで使われる意味が理解できてきましたし、自分に足りない部分もわかるようになってきました。自分の中ではサイドハーフで勝負したい想いがありますけど、サイドバックを経験することで確実にプレーの幅は広がりましたし、今は前向きに捉えています。

――左右どちらが得意ですか?

伊達 両方できますが、スペインでは左サイドが多くて、アルゼンチンではずっと右サイドでプレーしています。

――プレーの特徴や持ち味は?

伊達 運動量を活かしたプレーが特徴で、ドリブルで相手を抜くプレーが得意です。

――目指しているドリブラーはいますか?

伊達 チェルシーの(エデン)アザールです。

――今抱えている課題はありますか?

伊達 右利きなんですが、両サイドでプレーしていく中で、左足の技術が足りないと感じるようになりました。ドリブルも元々右足でしかやっていなくて、右サイドでプレーする時はやりにくさもありました。それで左足の練習をするようになり、少しずつレベルアップできてきたかなと思います。

――U-17に所属しながらトップチームの練習にも参加していたと聞きました。

伊達 はい。7月に5回ぐらい参加して、11月にも呼んでもらいました。

――トップチームにはウルグアイ代表のクリスティアン・ロドリゲスや、エミリアーノ・パパなどアルゼンチン代表歴を持つ選手が多数在籍しています。彼らにはどんな印象を持っていますか?

伊達 まずトップの選手はサッカー選手としてはもちろんなんですが、人間的にも優れているなと感じました。プレーの面では、一つひとつの細かな技術がすごくて、自分もそこを伸ばしていきたいと思います。

――技術面の具体的なエピソードはありますか?

伊達 キャプテンの(フェデリコ・アンドレス)マンクエージョという選手がいるのですが、彼のプレーには驚きました。2タッチ以下で回すゴールありのポゼッション練習で、10数メートル離れたところから、ダイレクトでポンポン、ゴールを決めるんです。あの技術はすごいなと。

――トップチームの練習で紅白戦などもあったのですか?

伊達 11対11はなかったんですけど、5対5は一度やりました。クリスティアン・ロドリゲスと同じチームになって、2点決めることができました。

――寮生活と聞きましたが、どんな生活を送っているのですか?

伊達 あまり遊びにも行かないですし、サッカー漬けですね。寮でしっかりした食事も取れますし、個人的にも炭酸飲料を控えたり食生活は気をつけています。

――今シーズンから5軍にあたるU-18でプレーします。同年代のアルゼンチン代表などもいるのでしょうか?

伊達 だいたい30人ぐらいいて、U-18アルゼンチン代表の選手も4人います。特にセンターバックのフランシスコはすごい選手です。プレースタイルは元スペイン代表の(カルレス)プジョルのような感じで、人としても尊敬しています。

――その上は、19歳から20歳の4軍、サテライトにあたる2、3軍、トップチームとなります。今後の目標は?

伊達 まずはプロ契約を結ぶことが目標です。18歳になれば公式戦にも出られますし、ここでさらに成長できればと思っています。

――最終的な目標を教えてください。

伊達 夢はバルセロナのホームスタジアムであるカンプ・ノウでプレーすることと、ワールドカップで優勝することです。

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