香川真司が所属するドルトムントに昨夏やって来た、U-21ドイツ代表MFユリアン・ヴァイグル。加入当時まだ19歳だった新鋭が、ブンデスリーガというドイツ最高峰の舞台で見せるパフォーマンスに、周囲は度肝を抜かれている。
ヴァイグルが生まれたのはバイエルン州南部、人口約1万8000の小さな村バート・アイブリング。「家族と一緒に時間を過ごすのが好きなんだ。家族と話す時にはバイエルン訛りで話すけど、もちろん標準語も問題ないよ」と笑う彼は、一度ピッチを離れれば、どこにでもいる20歳の青年へとその姿を変える。また、自身より一回りも二回りも年齢が上の記者たちを相手に、ミックスゾーンで丁寧に取材対応をする姿勢からは、素朴で誠実な人柄も伺える。
しかしグラウンドに立つヴァイグルは、その年齢、そしてドルトムント1年目という経歴に似つかわしくないほど、威風堂々としている。ドイツ紙『ビルト』がオンラインで公開しているデータによれば、1試合の平均ボールタッチ数はドイツ代表MFイルカイ・ギュンドアン、同DFマッツ・フンメルス、ギリシャ代表DFに次いでチーム4位の83.46回。さらに圧巻なのはパス成功率で、こちらは91.87%となっており、ブンデスリーガ全選手で4番目に位置している(ちなみに同項目トップ10はヴァイグルを除きバイエルンのメンバーで占められている)。
中盤の王様と呼ぶにふさわしい成績であるだけに、もちろん出場試合数も非常に多い。今シーズン全公式戦44試合でピッチに立たなかったのは、第15節ヴォルフスブルク戦のたった1度だけ。昨年7月30日のヨーロッパリーグ予選3回戦ファーストレグのヴォルフスブルガーAC戦以降、ブンデスリーガ26試合、DFBポカール3試合、予選やプレーオフを含むEL14試合でプレーし、そのうち28試合でフル出場を果たしている。もはや、トゥヘル構想の中心に位置していると言っても過言ではないのだ。
By サッカーキング編集部
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