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日本のパイオニア「三浦知良の開拓記」

2013.03.02

[サムライサッカーキング3月号掲載]

ブラジル、Jリーグ、日本代表、セリエA、フットサル……。カズはいつの時代もパイオニアとして道を切り拓いてきた。険しい道のりの中で彼が打ち立てた功績を一挙紹介!

kazu_getty_aflo_12写真=Getty Images、AFLO

日本人初のアジア最優秀選手、アジア人初のセリエAプレーヤー

■ナビスコ、JリーグでMVP

1990年7月にブラジルから帰国し、読売サッカークラブ(現東京ヴェルディ)に移籍。当初は日本のサッカーへの適応に苦労したが、初開催となった92年のJリーグヤマザキナビスコカップで得点王とMVPを獲得し、チームの優勝に貢献。93年に開幕したJリーグでも日本人最多となる20得点をマークしてチームを優勝に導き、自身も初代MVPに。カズ人気を不動のものとした。

■日本人初のアジア最優秀選手に選出

1993年、開幕したJリーグやアメリカ・ワールドカップアジア最終予選での活躍が認められ、日本人として初めてAFC年間最優秀選手賞を受賞した。その後は井原正巳や中田英寿、小野伸二、遠藤保仁、女子では澤穂希、宮間あや、原菜摘子が受賞している。

・AFC最優秀選手賞を受賞した日本人選手
三浦知良(1993年)、井原正巳(1995年)、中田英寿(1997、98年)、小野伸二(2002年)、遠藤保仁(2009年)、澤穂希(2004、08年)、原菜摘子(2005年)、宮間あや(2011、12年)

■アジア人初のセリエAプレーヤーに

1994年、当時世界最高峰のリーグと言われていたイタリア・セリエAのジェノアに1契約で期限付き移籍。アジア人初のセリエAプレーヤーとなった。ミラン戦でデビューを飾ると、サンプドリアとのジェノヴァ・ダービーでは初得点をマーク。21試合1得点を記録した。その後、中田英寿や名波浩ら日本代表クラスの選手が次々とイタリアに渡り、現在はインテルで長友佑都がプレーしている。

・セリエAでプレーした日本人選手
三浦知良(1994-95/ジェノア/21試合1得点)、中田英寿(1998-05/ペルージャ、ローマ、パルマ、ボローニャ、フィオレンティーナ/182試合24得点)、名波浩(1999-00/ヴェネツィア/24試合1得点)、中村俊輔(2002-05/レッジーナ/81試合11得点)、柳沢敦(2003-06/サンプドリア、メッシーナ/44試合0得点)、小笠原満男(2006-07/メッシーナ/6試合1得点)、森本貴幸(2006-13/カターニア、ノヴァーラ/104試合19得点)、長友佑都(2010~/チェゼーナ、インテル/66試合4得点)
※2013年1月31日現在

■日本代表の1試合最多得点記録を保持

1997年6月22日に行われたフランスW杯アジア1次予選のマカオ戦で6得点をマークし、釜本邦茂と並び日本代表の1試合最多得点記録を樹立。総得点数は釜本の75点に次ぐ55得点を挙げている。

・日本代表歴代得点ランキング
1位 釜本邦茂(76試合75得点)
2位 三浦知良(89試合55得点)
3位 原博実(75試合37得点)
4位 岡崎慎司(59試合31得点)
5位 高木琢也(44試合27得点)

※国際サッカー歴史統計連盟 (IFFHS) はJFA(日本サッカー協会)と異なり、1954年以降のすべてのオリンピック関係の試合を国際Aマッチから除外しているため、釜本とカズを55得点で最多得点者とし、1試合最多得点記録はカズ単独の記録としている。
※※得点ランキングは2013年2月20日現在

■日本人初のクラブ・ワールドカップ出場

横浜FCに移籍後の2005年11月、オーストラリアのシドニーFCに期限付き移籍し、12月に日本で行われたクラブW杯で2試合に出場。日本人選手の出場は、同大会の前身であるインターコンチネンタルカップ(トヨタカップ)を含めて初となった。その後は07年に浦和レッズ、08年にガンバ大阪、11年に柏レイソル、12年にサンフレッチェ広島が出場。岩本輝雄や岡山一成らも海外のクラブから出場している。

Jリーグ最年長出場&得点記録を更新中、初代バロンドール受賞者越えは4年後?

■Jリーグ18年連続得点記録

2010年8月7日のJ2第21節ファジアーノ岡山戦で得点を記録し、Jリーグ開幕から18年連続ゴールをマーク。翌年にその記録は途絶えてしまったが、不滅の記録として日本サッカー史に刻まれている。

■Jリーグ最年長出場&得点記録を更新中

2012年5月27日に行われた第16節のガイナーレ鳥取戦でゴールを決め、自らのJリーグ最年長得点記録を45歳3カ月1日に更新した。2位にはジーコ(41歳3カ月12日)、3位には中山雅史(40歳5カ月21日)が名を連ねているが、2人とも現役を離れており、その差は更に広がりそうだ。

・Jリーグ最年長得点記録(左から順位、選手名、当時所属クラブ、得点日、年齢)
1位 三浦知良 横浜FC  2012.5.27  45歳3カ月1日
2位 ジーコ 鹿島 1994.6.15  41歳3カ月12日
3位 中山雅史 磐田 2008.3.15  40歳5カ月21日
4位 サントス 清水 2000.7.22  39歳7カ月13日
5位 森山泰行 岐阜 2008.4.29  38歳11カ月28日
※2013年2月20日現在

■Jリーグの選手としてFリーグの公式戦に初出場

2011年12月、横浜FCに所属しながらFリーグのエスポラーダ北海道にJリーグ選手枠として登録。翌年1月15日の北海道対府中アスレチック戦では1試合限定で公式戦に初出場し、2月にはFリーグから特別表彰を受けた。これが後のフットサル日本代表選出へつながっていった。

■フットサル日本代表に選出、ワールドカップに初出場

2012年10月、フットサルW杯に臨む日本代表に選出され、同月24日に行われた国際親善試合のブラジル戦に初出場。27日のウクライナ戦では初ゴールをマークした。同年11月にタイで行われたW杯では全4試合に出場。精神的支柱として史上初の決勝トーナメント進出に貢献した。

■初代バロンドール受賞者越えは4年後? 世界の最年長出場記録更新へ

世界に目を向けてみると、各国トップリーグの最年長出場記録は、1956年の第1回バロンドール受賞者であるイングランドのスタンリー・マシューズが持つ50歳5日となっている。マシューズは「魔術師」と称されたドリブルの名手で、33年間の現役生活で一度も警告を受けたことがない生粋のフェアプレーヤー。奇しくもカズと似通った特長を持った選手だった。4年後の2017年、仮に横浜FCがJ1の舞台に名を連ね、3月の開幕戦でカズがピッチに立つことができれば、世界の最年長出場記録を更新することになる。

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